メッセージ

大会委員長よりメッセージ

MiyashitaHomei情報処理学会インタラクションシンポジウムは1997年にはじまりましたが、そこから20年経過した2017年、今回が21回目の開催となります。ヒューマンコンピュータインタラクション研究会、グループウェアとネットワークサービス研究会、ユビキタスコンピューティングシステム研究会、エンタテインメントコンピューティング研究会、デジタルコンテンツクリエーション研究会の5研究会が主催で運営され、これまでも盛況なシンポジウムとなっています。  本シンポジウムは、招待講演、厳正なる査読を経て選ばれる一般講演発表(オーラル発表)、およびインタラクティブ発表から構成されます。デモを重視する発表形態であるインタラクティブ発表は特に本シンポジウムの特徴ですが、本年も多くのご投稿をいただき、二百を超える件数の発表を行えることとなりました。

インタラクション2017は、明治大学 中野キャンパスを会場として開催します。明治大学 中野キャンパスでは、日本を代表するインタラクションの研究教育拠点を目指して、総合数理学部 先端メディアサイエンス(FMS)学科が2013年よりスタートしています。2017年は学科の完成年度でもあり、また新大学院(先端数理科学研究科 先端メディアサイエンス専攻)の設置時期でもあるので、よいお披露目の機会ともなると考えました。400人以上収容可能なホールや、6階のプレゼンスペースなど、建設計画の段階から「インタラクション」の実施をある程度念頭においていたので、実際に開催できて嬉しく思っています。何よりも、会場費を抑えることに成功し、財団による助成に頼らずに、情報処理学会学生会員およびジュニア会員の事前登録の参加費を無料として継続できるメリットがありました。都心部からアクセスしやすい場所なので、一般の参加者(家族連れや中高生など)の方にもインタラクション研究の最前線を体験頂く機会となればと思っています。 本シンポジウムは、実行委員会・プログラム委員会の委員の皆様のお力なしには実現できませんでした。ボランティアの域を超えた皆様のご尽力に心から感謝申し上げます。また、当然ながら、このシンポジウムは、ご投稿いただいた皆様、ご発表いただく皆様、多数の協賛企業・協賛学会の皆様のご支援のもとに成立しているものです。この場を借りまして、厚く御礼申し上げたいと思います。

10年ほど本シンポジウムの運営に携わっておりますが、大会委員長という役職となって初めて見えたことがありました。発表者の皆様からのちょっとしたご要望や、投稿原稿の些細なミスといった事柄でも、積もり重なると膨大な量となり、担当委員にかなりの負担となる現状がそれです。インタラクションが今後もずっと有意義な情報交換の場として継続してほしいと願っていますが、こうした問題を抱えたまま進むのには限界があるようにも思いました。しかしその一方で、「まさにこれこそ私たちの知恵と技術で打開すべき課題」だとも信じています。今後ともぜひ、この問題に一緒に取り組み、ご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

インタラクション2017 大会委員長 宮下芳明(明治大)

 

プログラム委員長よりメッセージ

YoshinoTakashi参加者へのメッセージ
ようこそ,インタラクション2017へ! インタラクションはみなさんで作りあげる大変エキサイティングなイベントです!こんな楽しいイベントに,プログラム委員長として携われて大変うれしく思っています.人とコンピュータとの関わりは,ますます密接になってきています.まだまだ研究すべきことが多くあります.インタラクション2017でたくさん議論し,次世代のインタラクション研究につなげていきましょう!

プログラム委員会について
今年も昨年までのプログラム委員会を引き継ぎ,メタ査読者として複数の論文を俯瞰するチーフプログラム委員(13名)と,個々の論文の詳細な査読を担当するプログラム委員(68名)からプログラム委員会を構成しました.各チーフプログラム委員は,プログラム委員からの査読結果を踏まえ,オンラインで議論を行い,採否判定案を作成します.その上で,チーフプログラム委員の採否判定会議を2016年12月13日~14日にかけて開催し,十分な議論を経て,一般講演発表の採択論文を決定しました.

一般講演発表について
一般講演発表には 28本の投稿があり,前述したプログラム委員会の厳密な査読と議論を経て,12本を採択しました.一部のボーダーライン上の論文にはShepherdingを行い,チーフプログラム委員が論文の改善を個別に確認した上で採録しました. Shepherdingを通して,新規性は高いが発展途上の論文を積極的に採択し,インタラクションコミュニティの活性化に配慮しました.

インタラクティブ発表について
インタラクティブ発表では,厳密な査読は行いませんが,特に優れた発表である「プレミアム発表」や,研究や論文の質に著しい問題のある問題論文を発見するために,全チーフプログラム委員/プログラム委員がスクリーニングを行いました.その結果,219本の投稿から,44本をプレミアム発表,160本を一般発表として採択しました.プレミアム発表は,プログラム委員会選出のインタラクティブ発表賞の候補となり,発表当日にチーフプログラム委員団の巡回審査を経て受賞が決定します.
昨年に引き続き,過去最大規模の採択件数(204件)となり,インタラクションコミュニティの盛況を象徴しているように思われます.

Keynoteについて
インタラクション2017では,「時間」の高精度化に挑戦している研究者の細川瑞彦先生をお招きし,「究極の計測精度を求めて -絶対精度18桁への挑戦-」というタイトルで,ご講演頂きます.みなさんが何気なく利用している「秒」がどのように決まり,また,極めて高い精度が,社会に与えている大きなインパクトについてご紹介頂きます.

 インタラクション2017 プログラム委員長 吉野 孝 (和歌山大)