情報処理学会 インタラクション2015

文献情報

タイトル
ロボット操作者の偽存在感によるソーシャルテレプレゼンスの生成
著者
  • 田中 一晶(阪大/JST)
  • 宇野 弘晃(阪大)
  • 山下 直美(NTT)
  • 中西 英之(阪大)
  • 石黒 浩(阪大)
アブストラクト
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遠隔操作ロボットと自律ロボットの本質的な違いは遠隔地にいる操作者の存在の有無である.この存在の有無をユーザがどのように判断しているのかは未だ良く分かっていない.その判断のメカニズムを明らかにすることによって,自律ロボットとの対話を人との対話のように感じさせることが本研究の目的である.我々は,被験者が遠隔操作状態と自律状態のロボットとそれぞれ対話する実験をソーシャルテレプレゼンステストに基づいて行った.ソーシャルテレプレゼンステストとは,自律システムが人と同等の存在感を生み出すかどうかを評価する我々が考案したテストである.実験の結果,自律状態のロボットとの対話における遠隔操作者の存在感の有無は,遠隔操作状態の同じロボットとの対話を事前に行ったかどうかによって判断されることが分かった.これは,被験者が遠隔操作状態のロボットと事前に対話した場合,その際に感じた遠隔操作者の存在感が,自律状態のロボットとの対話でも継続して感じられたと考えられる.また,事前の対話において自律システムが遠隔操作者を装った場合であっても,自律状態のロボットとの対話で遠隔操作者の存在感が生み出されることも分かった.

雑誌名
インタラクション2015論文集
© 情報処理学会 2015
論文ID
15INT004
ページ
28 ~ 37
発行日
2015年2月26日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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