情報処理学会 インタラクション2016

ポインティングの高速化を目的として，本稿では「航空路マウス」を提案する．航空路マウスでは，マウスの親指を添える位置に取り付けた小型ジョイスティックをカーソルの現在位置から見てターゲットの方向に倒す事によりターゲットへの移動を行う．また同じ方向にオブジェクトが複数ある場合，遠い方のオブジェクトへの移動は，この操作を繰り返すことで行う．これにより，ターゲットへの移動時間を短縮することを目指す．この手法を評価するため，被験者に操作に十分慣れさせた上で，航空路マウス，バブルカーソル，Delphian Desktop，ポイントカーソルで比較実験を行った．その結果，航空路マウスはほぼ全ての配置で既存手法より有意に速くターゲットを選択することができた．またそれ以外の配置においても既存手法より有意に遅くなる結果は見られなかった．