情報処理学会 インタラクション2017

文献情報

タイトル
Mirror Visual Feedbackを活用した鏡の移動による上肢の移動感覚の変調
著者
  • 石原 由貴(名古屋市立大)
  • 小鷹 研理(名古屋市立大)
アブストラクト
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実験心理の分野では,鏡によって隠された一方の手を,鏡面に映ったもう一方の手の像と誤認させることで,隠された手の移動感覚が変調することが報告されている(MVF : Mirror Visual Feedback).これらの研究は鏡面に映す手が動いていることが前提とされており,鏡面上の虚像の影響のみを純粋に取り出すことはできなかった.そこで,本研究は見えている側の手(左手)を一切動かすことなく,虚像が与える視覚刺激が,隠れている側の手(右手)の移動感覚に与える影響を検証するために,鏡と右手の水平位置をそれぞれ独立に,異なる速度で制御する装置を作成した.被験者実験において,鏡と右手を種々の速度条件で4秒間移動させたのちに,右手が左右どちらに動いたかを解答させたところ,被験者の主観的な移動方向は,実際の移動方向に対して,虚像の移動する方向にバイアスを受けることが分かった.さらに,この移動方向の変調の程度は,両手の姿勢が一致している時に,より強くなった.以上の結果は,MVFによるリハビリテーションに対する新たな応用を示唆するものである.

雑誌名
インタラクション2017論文集
© 情報処理学会 2017
論文ID
17INT012
ページ
97-105
発行日
2017年2月23日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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