情報処理学会 インタラクション2018

文献情報

タイトル
BubbleSlide:フリック操作の規則性を高めたスマートウォッチ向け日本語かな入力インターフェース
著者
  • 東條 貴希(同志社大)
  • 加藤 恒夫(同志社大)
  • 山本 誠一(同志社大)
アブストラクト
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スマートウォッチに特化した新たな日本語文字入力方式が確立されれば,日本語を使用するユーザにとってスマートウォッチの利便性はさらに高まるであろう.これまで,我々はスマートウォッチ向けのかな文字入力方式として,すべての文字を1フリックで入力できるBubbleFlickを作成した.BubbleFlickは環状に行の先頭文字を並べたデザインを採り入れることで,文字のキー領域を広げ,誤入力を低減した.8名を対象にした30日間連続評価の結果,文字入力速度は30日目に31.3~49.1[char/min]を示し,誤入力率は30日間を通して実用化されているインターフェースよりも低い値を示した.しかし,使用後のインタビューから,フリックする方向が行の先頭文字毎に異なり,直感的なわかりやすさに欠けるという課題が明らかになった.本稿ではこの課題に対して,スライド操作により直感的に分かりやすい規則性を採り入れたBubbleSlideを提案する.BubbleSlideは画面中心部に向かって指をスライドさせ,ストロークの長さによって文字を決定する.性能評価のために,スマートフォンで一般的なテンキー上のフリック操作にて入力するテンキーフリック式を比較対象とし,20日間の比較評価実験を実施した.その結果,普段スマートフォンでテンキーフリック式を利用していない実験協力者に対して,BubbleSlideはテンキーフリック式よりも1分間に約5文字多く入力でき,誤入力率ではテンキーフリック式の半分程度の10%を示した.

雑誌名
インタラクション2018論文集
© 情報処理学会 2018
論文ID
3B46
ページ
1048-1053
発行日
2018年2月26日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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