情報処理学会 インタラクション2018

文献情報

タイトル
ロボットからの接触における視線の高さと発話タイミングの影響
著者
  • 塩見 昌裕(ATR)
  • 平野 貴大(ATR/同志社大)
  • 木本 充彦(ATR/同志社大)
  • 飯尾 尊優(ATR/筑波大/JSTさきがけ)
  • 下原 勝憲(ATR/同志社大)
  • 萩田 紀博(ATR)
アブストラクト
説明画像

人が他者に触れる際,視線や発話のタイミングによってその印象は大きく変化する.例えば医師が患者に触れる際や大人が子供に触れる際に行われる視線の高さを相手に合わせる動作は,触れる相手へより丁寧な印象を伝えることができる.他にも,他者へ触れる前にあらかじめその意図や理由を発話で伝えることで,相手が触れられることに対して感じる抵抗感を減らすことが出来る.一方,ロボットが人に触れる状況において,視線の高さを変化させることでどのような影響をもたらすかはいまだ定量的に検証されていない.また,ロボットから人への接触を扱った過去の研究では,ロボットは患者役の被験者に触れる前ではなく,触れた後にその意図や理由を発話で伝えたほうが望ましいという,人同士の触れ合いにおいて望ましいと報告されている発話タイミングとは相反する結果が報告されている.そこで本論文では,ロボットから人へ接触する際のロボットの視線の高さ,および発話タイミングによってその印象がどのように変化するかについて被験者実験を行い,それらの要素がもたらす効果の検証を進めた.実験の結果,ロボットの視線の高さを相手に合わせてから触れることで,女性の被験者に対してはより丁寧な印象を伝えることが示された.一方,男性の被験者に対しては特に望ましい効果は示されなかった.発話タイミングに関しては,ロボットが患者役の被験者に触れる前にその意図を発話で伝えたほうが望ましい印象を与えることが明らかになり,上述したロボットから人への接触を扱う過去の研究とは相反する効果が示された.これらの実験結果及びそれらを踏まえた考察の詳細について,本文中で報告する.

雑誌名
インタラクション2019論文集
© 情報処理学会 2019
論文ID
INT19007
ページ
58-66
発行日
2019年2月27日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
住所 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台一丁目5番地 化学会館4F
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