情報処理学会 インタラクション2020

文献情報

タイトル
チュータリング対話の質評価に寄与する非言語情報の検討
著者
  • 辻本 海成(はこだて未来大)
  • 角 康之(はこだて未来大)
アブストラクト
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本稿は,大学生同士のピアチュータリング対話を題材とし,対話者の非言語行動から対話の質を評価する方法の可能性を検討する.大学生同士の学び合いの環境を良くしていくには,チューター(教える側)の技能を高め,それを継承していくことが重要である.したがって,チューター達は互いの技能を観察・評価し合い,真似すべき良い指導方法や,逆に避けるべき指導方法を指摘し,言語化していくことが重要である.そのためには,蓄積されたチュータリング対話のデータから,指導方法として良いシーンや悪いシーンを特定し,それらの理由を説明する原理を導き出すことが望まれる.本稿では,それらの手掛かりとして,チュータリングに参加している二者(チューターとチューティ)の非言語行動の量と時系列パターンに着目し,それらの組み合わせから対話シーンごとの質を数量化する方法を提案する.具体的には,計測された二者それぞれの発話と手作業,そしてそれらの共起に関する14の説明変数を使って,チュータリングのシーン毎の質を推測することを試みた.チュータリングデータからの注目すべきシーンの抽出と,それぞれのシーンの質評価には,熟練チューターに協力してもらった.それらのデータを利用して,チュータリングの質評価に寄与しうる説明変数の検討を行うために,説明変数間の相関分析,主成分分析,そして,質を評価するための回帰分析を行った.その結果,回帰式の作成にはまだ十分な結果は得られていないが,チューティ(学ぶ側)の関与が多く観察されるシーンが高く評価される,というチューター達の暗黙的な理解との符合を示唆する結果が得られた.

雑誌名
インタラクション2020論文集
© 情報処理学会 2020
論文ID
INT20005
ページ
39-47
発行日
2020年3月2日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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