情報処理学会 インタラクション2025

アーティストの大規模なライブでは，演奏や舞台上での演出に加え，観客へ向けた演出としてスモークや炎，風，バブル，紙吹雪などの大掛かりな特殊効果が採用されることがある．しかし，これらの演出はステージ付近に限定されるため，観客の位置によっては演出の臨場感や演者との一体感が十分に得られない場合がある．そこで本研究では，触覚を通じて効果を提示できる風を活用し，ステージ上の演出と連動するウェアラブルな風提示デバイスを提案する．これにより，ステージ上の演者と観客の一体感を向上させるようなライブ演出の拡張を目指す．実験により，有効性を評価したところ，風演出が一体感と臨場感の向上に寄与する可能性があることが示唆された．