「インタラクション’98」プログラム

3月3日(火)

●[9:30-10:30] 招待講演 司会: 竹林 洋一(東芝)
(1) Comic Chat: From Research To Product
David Kurlander(Microsoft)

●[10:45-11:45] 一般講演「ジェスチャ」 座長: 松岡 聡(東工大)
(2) 形状の個体差に適応する精密なジェスチャ推定
島田 伸敬,白井 良明,久野 義徳,三浦 純 (阪大)
[連絡先] shimada@mech.eng.osaka-u.ac.jp(島田)
本研究では個体間でそれぞれに異なる人体形状に適応する物体モデルを単眼視 動画像に当てはめることによって,人間のジェスチャを推定する手法について 提案する.人体のような関節物体を単眼視動画像で観測した場合には,奥行きが わからないためモデルの形状と姿勢の間には曖昧さが生じる.そこで,関節 角度や各部の長さ,太さに関する制約知識を利用して,この曖昧性を解決する. 制約知識と現在までの観測結果を統合するために,可能な形状と姿勢のバリエー ションをパラメータ空間における閉領域で表現する.最初に大まかな形状と姿 勢の範囲を与えた上でさまざまな時系列観測を入力すると,この閉領域がしだい に小さくなっていき,単眼視画像から物体の形状と姿勢が次第に正確に推定さ れていくことを,実験例を使って示す.
[論文] (Postscript, GZIP形式, 378Kbytes)

(3)時系列パターン認識のための精密な確率モデル−部分隠れマルコフモデルと そのジェスチャ認識・音声認識への応用−
益満 健,古山 純子,小林 哲則 (早大)
[連絡先] masuken@tk.elec.waseda.ac.jp(益満)
時系列パターンの認識手法として部分隠れマルコフモデルという新たなモデル を提案した。これは 2重マルコフモデルの一方を隠れ状態に、他方を可観測の 状態することで、left-to-rightモデルのHMMが区分定常しか扱えないという問 題を解決した。本モデルの性能を調べるためにシュミレーション実験を行ない、 その結果HMMに比べ過渡部の表現能力に優れていることが分かった。これを、6 種類の手振り動作による認識実験の結果、HMMに比べエラー率を43% 改善することができた。しかし、音声での単語認識実験ではHMMに 及ばなかった。これは、今後の課題と考えられる。
[論文] (Postscript, GZIP形式, 208Kbytes)

●[11:45-12:00]インタラクティブセッションI(概要説明) 座長: 中内 靖(防大)

− [12:00-13:00] 昼食 −

●[13:00-14:20]インタラクティブセッションI
(A-01) 遠隔教育用システムのためのカメラ制御ツールの試作
西村浩二(広島大),前田香織(広島市大),相原玲二(広島大)
(A-02) VRML2.0仮想空間共有のポータブルな実現方法 −Javaオブジェクト間通信機構:HORBの応用−
秋山朋之(日本アドバンス・テクノロジー)
(A-03) 対話的整形と予測描画による幾何学的図形の高速描画
五十嵐健夫(東大),松岡聡(東工大),河内谷幸子,田中英彦(東大)
(A-04) 握力インタフェースを用いた仮想楽器−GraspMIDI−の試作
尾上直之,澤田秀之,橋本周司(早大)
(A-05) 視覚障害者用グラフアクセスシステム
海老名毅,猪木誠二,三宅輝久,高橋寛子(通信総研)
(A-06) HORBを利用したロボット操作環境
平松薫,森啓,納谷太,大里延康(NTT)
(A-07) 音楽を用いた対話的3次元CGアニメーション−ミュージックドリブンCGの試作−
村田克之,山内康晋,土井美和子(東芝)
(A-08) 合成音声を用いてインタラクティブに教示するペン習字CAIシステムの構築
篠崎翼,阿部匡伸(NTT)
(A-09) ラピッドプロトタイピングツールMuse
神尾広幸,雨宮美香,松浦博,新田恒雄(東芝)
(A-10) リアルタイムTVインデクシング
青木恒,堀修(東芝)

●[14:30-15:50]一般講演「視覚化」 座長: 小池 英樹(電通大)
(4) インタラクティブシステムのためのグラフ描画アルゴリズム
南雲 淳, 田中 二郎(筑波大)
[連絡先] nagumo@softlab.is.tsukuba.ac.jp(南雲)
本研究では,グラフ自動描画アルゴリズムの改良として,配置対象のグラフの 構造が動的に変化する場合に注目し,そのグラフの変化を分りやすく提示し, さらに,画面に表示されたグラフ構造に対するインタラクション性を向上する ための手法を示す.また,多視点遠近画法を導入することにより,辺や節が多 い複雑なグラフの一覧性と詳細性を両立させて,可読性を向上するためのグラ フ自動描画アルゴリズムの改良を行う. このアルゴリズムの改良の応用例として並列論理型言語をベースとしたビジュ アルプログラミングシステムを作成したので,これについても述べる.

(5) モバイル環境のユーザインタフェース向上に向けて −携帯情報端末用フォントの高品質化に関するー手法−
安本護†、池田尚志‡、中里酉克†、富田義数†
†三洋電機、‡岐阜大学工学部
[連絡先] yasu@gf.hm.rd.sanyo.co.jp(安本)
モバイル環境のユーザインタフェース改善を目指して,任意サイズのフォント を高品質に生成する方法を提案する.本手法では,隣接ストロークの間隔を調 整してつぶれを防止する線間補正処理と出力画素数に応じてストロークの混み 具合を調節する複雑度補間処理を適用して,低画素でも判読容易なフォントの 生成を可能とする.16名の被験者による主観テストで,人手で制作したビット マップフォントに匹敵する品質が得られることを確認した.
[論文](Postscript,GZIP形式,274Kbytes)

(6)情報視覚化に基づく情報共有・協調作業支援の検討*
寺岡 照彦,秋吉 政徳(三菱電機)
[連絡先] teraoka@sys.crl.melco.co.jp (寺岡)
本稿では、対話的な情報視覚化に基づいたWWW情報の整理と共有について述べ る。本手法では、WWW情報群を図形として扱い、それを対話的に編集すること によって整理し、それらを共有する。ユーザは図形上の色・大きさ・リンクな どに、情報群に対する自分なりの視点・捕え方を盛り込むものである。図形情 報を参照することによって、他人の視点を大まかではあるが直感的に把握でき るようになる。さらに、それら共有した図形を利用して、ユーザが非同期に協 調して情報を整理することについて検討する。
[論文](PDF,136Kbytes)

●[16:00-17:50] 一般講演「デバイスと3D」 座長: 安村 通晃(慶應)
(7) 振動子型触覚デバイスを用いた流れ場表現
矢野 博明, 廣瀬 通孝,小木 哲朗,田村 善昭(東大)
[連絡先] yano@ihl.t.u-tokyo.ac.jp (矢野), hirose@ihl.t.u-tokyo.ac.jp (廣瀬), tetsu@iml.u-tokyo.ac.jp (小木), tamtam@iml.u-tokyo.ac.jp (田村)
複数の大型スクリーンを用いて利用者の周りを映像で覆う空間型ディスプレイ装置と 触覚デバイスを組み合わせることで、より高度な仮想空間の構築が可能となる。 本研究では、空間型ディスプレイにおいて流れ場等を触覚情報として呈示するため に、17個の振動子を手袋に取り付けた振動子型触覚デバイスを開発した。この振動子 の振動パターンを制御することで流れの方向の認識が可能なデータ呈示環境を構築 し、その評価をおこなった。
[論文](HTML), (HTML, GZIP形式, 233Kbytes)

(8) 簡易モーションキャプチャセンサDigitEye3Dとインタラクティブシステムへの応用
片寄 晴弘(和歌山大/イメージ情報科学研究所), 金森 務,平井 重行,坂口 貴司,井口 征士(イメージ情報科学研究所)
[連絡先] katayose@sys.wakayama-u.ac.jp(片寄)
本稿では,アート・ホビーなどパーソナルな領域での使用が見込まれる,安価・ ポータブルなモーションキャプチャセンサ DigitEye3Dについて述べる. DigitEye3D は,1)単眼カメラを用いカメラ上に写った点光源の面積を用いて 光源からカメラまでの距離を算出する,2)フィールド単位で点光源を切り替 えていくことによって各点光源を識別する,という原理に基づいて構成されて いる.本稿では,技術的仕様のほか,アプリケーションシステムを紹介する.
[論文] (PDF, 非圧縮,276Kbytes)

(9) 3次元仮想環境における3次元オブジェクト間の動的なインタラクションのモデル
荒木 義明(慶大)
[連絡先] aly@mag.keio.ac.jp(荒木)
バーチャル環境において3次元オブジェクト同士の動的なインタラクションを 記述する「ボディとマグネット」モデルを提案する。オープンシステムではイ ンタラクションを行う3次元オブジェクトの候補を決定し、それらを動的に関 連づける必要がある。このモデルにより、3次元オブジェクトの属性にあわせ てインタラクションの内容を動的に決定する仕組みを記述することができるよ うになる。

(10) 空間描画動作同定に基づく3次元曲線プリミティブ入力インターフェース*
佐々木 聡,佐賀 聡人(室蘭工業大)
[連絡先] akira@hahakigi.csse.muroran-it.ac.jp(佐々木), saga@csse.muroran-it.ac.jp(佐賀)
2次元オンライン手書き曲線同定法の一つとしてファジィスプライン曲線同定 法(FSCI)が提案されている.FSCIは,手書き曲線の形状に加えて動特性を考慮 して7種類の基本曲線プリミティブへ同定する.このFSCIを用いた汎用的手書 き曲線入力インタフェースは,自由度の高い3次元ではさらに有効と考えられ る.そこで本論文ではFSCIを3次元に拡張し,3次元仮想空間に描画された手 書き曲線を基本プリミティブに同定する3D-FSCIを提案する.
[論文](Postscript,GZIP圧縮,230Kbytes)

●[18:00-20:00]ベストペーパ賞表彰,懇親会

3月4日(水)

●[9:30-11:30] 一般講演「インタラクティブメディアとその影響」 座長: 森 博彦(武蔵工大)
(11) AVON:サイバーブックに”編み込んだ”インタラクティブ映像本
外村 佳伸,小澤 英昭,谷口 行信,南 憲一(NTT)
[連絡先] tonomura@aether.hil.ntt.co.jp (外村)
本型インタフェースを用いた情報環境に、映像情報を‘編纂’することにより、 映像にインタラクティブな利用環境を提供する映像の電子本「AVON」 (Abstracted Video On Network)を提案する。AVONの特徴は、本型の情報利 用環境が持つ身近な使いやすさを映像に対して利用できること、 映像解析に よる特徴情報の構造化により自動作成が可能なことある。従来の映像利用イン タフェースに比べると、映像が内在する情報を利用している点で、効率的、効 果的なインタラクティブ環境を提供できる。
[論文] (Microsoft Word6.0J for Mac,1.2Mbytes), (PDF,330Kbytes)

(12) インタラクティブ映画第2次システムの構成
中津 良平, 土佐 尚子, 越知 武(ATR)
[連絡先] nakatsu@mic.atr.co.jp(中津), tosa@@mic.atr.co.jp(土佐), ochi@mic.atr.co.jp(越知)
映画、通信、ゲームなどのメディアを組み合わせることにより作り出される新 しいメディアとしてインタラクティブ映画がある。ここでは、まず我々の開発 した第1次システムについて簡単にふれると共に、その問題を指摘する。我々 はこの問題を解決するために第2次システムを作成中である。本システムは、 2人の人がネットワークを介して参加可能であると共に、任意の時点でのイン タラクションが可能であるという特徴を持つ。システムのソフトウェア構成、 ハードウェア構成の詳細を述べると共に作成した作品例を紹介する。
[title] Construction of Interactive Movie System II
Interactive movies, in which interaction capabilities are introduced into movies, is considered to be a new type of media that integrates various media, including telecommunications, movies, and video games. In this paper, we first explain the concept of interactive movies and briefly explain the prototype system we developed. We point out several problems in the system that need to be improved. We explain the two significant improvements introduced in the second system: the introduction of interaction at any time and two-person participation through the use of a network. We describe the software and hardware configuration of the second system and introduce one example of an interactive story installed in this system.
[論文](Postscript, GZIP圧縮, 1.1Mbytes)

(13) アコースティック楽器を用いたセッションシステムの開発
青野 裕司(阪大),片寄 晴弘(和歌山大),井口 征士(阪大)
[連絡先] aono@inolab.sys.es.osaka-u.ac.jp
簡易作・編曲支援機能を備えた,アコースティック楽器対応ジャムセッション システムについて述べる.従来のセッションシステムは,MIDI楽器を用いるも のが主流であった.我々は,セッションでは和音とリズムが重要な情報になる と考え,解析の対象をそれらに絞ることによって,アコースティック楽器によ る演奏入力を実現した.演奏聴取部では,和音名の認識にあたって楽器音に含 まれる倍音を積極的に活用している.この手法により,ジャムセッションを行 うのに十分正確な認識が可能である.また,入力された演奏から最小の繰り返 しパターンを自動的に認識・保存する機能があり,簡易的な作・編曲支援シス テムとして用いることもできる.ミュージカルジェスチャーという概念を導入 した演奏生成部は,即興性の高い演奏を作り出す.
[論文] (Postscript, compress形式,791Kbytes), (Postscript, GZIP形式,562Kbytes)

(14) テレビゲームと人間の暴力 −メディアのインタラクティブ性の影響力−
坂元 章,尾崎 恵,森 津太子,高比良 美詠子,伊部 規子(お茶の水大)
[連絡先] sakamoto@li.ocha.ac.jp(坂元)
本研究の目的は、実験によって、テレビゲーム使用がその後の暴力行動に及ぼ す影響を検討することであった。被験者は、お茶の水女子大学の学生52名であり、 彼女らは、ゲームで遊ぶか、あるいは、ゲームと映画のいずれかを視聴した後で、 サクラに対して電気ショックを流す機会を与えられた。そのときに彼女らが与え た電気ショックの強さと長さが暴力行動の測度とされた。実験の結果は、ゲーム 遊びは暴力行動を増やすが、ゲーム視聴はそれを増やさないというものであった。 この結果から、メディアのインタラクティブ性の影響力について議論された。
[論文] (RTF, 非圧縮,115Kbytes), (RTF, LHA形式,19Kbytes)

●[11:30-11:45] インタラクティブセッションII(概要説明) 座長: 椎尾 一郎(玉川大)

− [11:45-12:45] 昼食 −

●[12:45-14:05]インタラクティブセッションII
(B-01) 人間の意図を認識し支援する知的車椅子の実験システム
足立佳久,村嶋照久,山根英紀,久野義徳,島田伸敬,白井良明(阪大)
(B-02) WWWページごとに顔が替わる擬人化エージェントインタフェース
土肥浩,石塚満(東大)
(B-03) テレビ信号を用いた簡易ステレオシステム
辻合 秀一(近畿大)
[連絡先] tsujiai@info.waka.kindai.ac.jp(辻合)
本研究では,ビデオ信号とカメラ位置の構造を見直し同期式でかつ時分割を行わない 簡易ステレオシステムを提案する.このシステムの特徴としてステレオの左右画像が, 1枚のフレームに上下または左右に分割して保存できることである.したがって,本 方式を使えば,ステレオ画像を一般的なVTR,コンピュータ等のごく普通の媒体に簡 単に取り込むことができる.また,このシステム専用のHMDも提案する。
[論文](HTML)(Microsoft Word 97,263Kbytes), (Microsoft Word 97,LHA圧縮,236Kbytes)
(B-04) 子供とコンピュータを結ぶサポーターの役割に関する一考察
嵯峨田良江,下原勝憲,外村佳伸(NTT)
(B-05) ACOUSTIC INDEXING FOR SPOKEN DOCUMENT RETRIEVAL
Gareth J.F. Jones(Univ.of Exeter)
(B-06) 他者の感性情報を利用した画像空間理解支援環境:EVIDII
杉山仁彦,高田眞吾(奈良先端大),中小路久美代(奈良先端大/SRA)
(B-07) 集合フィルタを用いたビジュアルな動的データ検索
平田真章,浦野直樹(シャープ)
(B-08) マルチモーダル電子メールにおける情報共有
梶田哲史,安藤智,川口雄一,吉田裕之(松下電器)
(B-09) 音声から画像へのメディア変換を用いたサイバースペ−ス上での多人数コミュニ ケーションシステム
四倉達夫,小林智典,藤井英史,森島繁生(成蹊大)
(B-10) 時空間の視覚化手法−年輪メタファを組み込んだ時空間ブラウジングコンテンツ−
野田尚志,上窪真一,旭敏之(NEC)

●[14:15〜16:05] 一般講演「情報流通・検索」 座長: 中小路 久美代(奈良先端大)
(15) Recycled Media -概念と可能性-
瀬川 典久(東北大), 佐藤 究(東北大), 布川 博士(宮城教育大), 宮崎 正俊(東北大)
[連絡先] sega@dais.is.tohoku.ac.jp (瀬川)
コンピュータを使って作られた情報が、一方ではコンピュータの中で利用され、 もう一方では現実社会に存在する物に出力されることによって利用される。利 用形態が異なる同じ情報を、異なる利用形態の間で変換を行う。これを、情報 の再利用と考える。本論文では,はじめにこの情報の扱いをメディアを利用す る情報交換ととらえ、そのメディアのメディアアーキテクチャとして提案する。 そして、そのメディアアーキテクチャを利用し、情報の再利用を定義する Recycle Mediaを提案する。

(16) 安全なソフトウェア流通システムの構築と運用評価*
佐々木 茂彦,桂林 浩,谷口 慎一郎,京嶋 仁樹,田丸 恵理子, 大澤 隆(富士ゼロックス)
当社のオフィスにおいてPC環境の普及に伴い、いわゆるシェアウェア/フリー ソフトが、社内で利用されるようになった。しかし、個々のオフィスワーカに とって、必要なソフトウェアの検索と使用許諾の取得処理の負担が大きいとい う問題があった。これを解決するため、自社開発したセキュリティ技術(DDSA 技術)を用いて、ソフトウェアライセンス管理システムを構築し、運用と評価 を行った。これにより、ソフトウェアの検索環境の提供と、使用許諾取得処理 の代行を実現した。
[論文](RTF,GZIP形式,36Kbytes)

(17) ユーザーの要求に応じた情報フィルタリングシステムNEATの プロファイル生成*
酒井 哲也,Gareth J. F. Jones, 梶浦 正浩,住田 一男(東芝)
[連絡先] tets1@eel.rdc.toshiba.co.jp(酒井)
本論文では,新聞記事を対象とした情報フィルタリングサービスのためのプロ ファイルの自動修正実験について報告する.情報検索システム評価用テストコ レクションの正解記事をユーザーが有用と判断した記事とみなし,これから新 たな検索語を抽出し,新たな検索条件ベクトルを初期プロファイルに付加する ことによりフィードバックを実現する.そして,発行年の異なる学習用・評価 用の2つのテストコレクションを用い,未知の記事に対する修正後のプロファ イルの検索精度を評価し,我々の手法の有効性を示す.
[論文] (Postscript, GZIP形式, 32Kbytes)

(18) 知的ニュースリーダ -HISHO- の開発*
小作 浩美,内元 清貴,井佐原 均(郵政省)
[連絡先] romi@crl.go.jp(小作), uchimoto@crl.go.jp(内元), isahara@crl.go.jp(井佐原)
インターネットの普及に伴い,ネットワークニュースの記事量が増加している. その中において,より効率的なニュース利用を目指し,新しいフィルタリング技 術や検索方法の提案がなされてきている. 我々は対話型ニュースグループを 対象にしてユーザの興味にあった1つの記事を中心に同じ話題の記事,あるい は文脈上継りがある記事を抽出するような知的ニュースリーダ -HISHO- (Helpful Information Selection by Hunting On-line)を開発している. 本 稿では,知的ニュースリーダ -HISHO- の概要を紹介し,関連記事を収集するツー ルについて説明する.さらに,その評価結果を報告する.

(19) ネットワーク空間における目標が不明確な探索行動の目標明確化と満足度*
齋藤 真里,大村 和典(ソニー)
[連絡先] mari@ptl.sony.co.jp(齋藤)
ネットワーク空間における目標が不明確な探索として,Web上の情報を用いて友人に プレゼントを探す課題を被験者に与えた.目標明確化の方略として,探索前にさしあ たりの条件を初期設定してから探索する群と条件の初期設定なしに探索を開始する群 の2群を用意した.その結果,探索中に変化する仮の目標であっても条件を初期設定 した方が,探索のための条件を吟味,修正する頻度が高くなり,探索の満足度も高い ことがわかった.この結果から,情報を取捨選択し探索のための条件を徐々に修正す る探索の認知モデルを示す.
[論文](MS Word 7.0J, LHA形式, 205Kbytes), (RTF, LHA圧縮, 36Kbytes)

●[16:15-17:35] 一般講演「マルチモーダル」 座長: 暦本 純一(ソニー)
(20) 音声とジェスチャによる対話に基づくヒューマンロボットインターフェース
高橋 拓弥,中西 知,久野 義徳,白井 良明(阪大)
[連絡先] takahasi@cv.mech.eng.osaka-u.ac.jp(高橋)
本論文はロボットに確実に作業を実行させるための,人とのマルチモーダルコ ミュニケーションの実現について述べる.視覚認識のような自動処理は失敗す ることがあるが,その場合でも人間が容易な方法で指示を与えることにより, 作業が実行できる方法を提案する.例として,人に代わって物を取ってきてく れるロボットを考えた.ロボットは作業中に分からないことがあれば,それを 解決するための助言を自然に人から得られるような質問する.

(21) "GAZE TO TALK" メタコミュニケーション能力を持つ非言語 メッセージ利用インタフェース
知野 哲朗,福井 和広,山口 修,鈴木 薫,田中 克己(東芝)
[連絡先] chino@krl.toshiba.co.jp(知野)
視線検出、音声認識、および擬人化エージェントCGを用い自然なHIを実現する "GazeToTalk"システムを提案。視覚情報処理でエージェントへの注視を検出し、 音声入力意図を認識。これにエージェントの表情とジェスチャで反応し、音声 入力制御を行なうことで、ユーザが入力を意図した音声だけに適切に反応する HIを実現。また、非言語メッセージの社会的機能に着目した活用が、新たなHI 実現への有益アプローチであることを確認した。
[論文] (Postscript, tar+gzip圧縮, 727Kbytes) (注)ページ毎にファイルが分れています
(PDF版 - page1, page2 - page3 - page4 - page5 - page6 - page7 - page8)

(22) マルチモーダル入力、マルチメディア出力の案内システム:MMGS *
森元 逞,竹澤 寿幸(ATR)
[連絡先] morimoto@itl.atr.co.jp(森元), takezawa@itl.atr.co.jp(竹澤)
試作したマルチモーダルな情報案内システムについて述べる。人からの入力は 音声と手書きジェスチャによるマルチモーダルとし、機械からの出力は、3次 元図形を中心としたマルチメディア機能を積極的に活用している。また、人と の自然な対話インタラクションを行えるよう、照応処理や音声認識誤りなどに 起因する曖昧さの解消を行うことにより、協調的な応答を行う。
[論文] (Windows95版Microsoft Word97,LHA形式圧縮,184Kbytes)

●[17:35-17:45]ベストインタラクティブ発表賞表彰,閉会の辞
※一般講演における無印はロング発表(30分),*はショート発表(20分)を 意味します.
Back to the top page.