Webカタログ(一般講演発表)

Songle: ユーザが誤り訂正により貢献可能な能動的音楽鑑賞サービス (036)
ベストペーパー賞
Songle: ユーザが誤り訂正により貢献可能な能動的音楽鑑賞サービス
【ベストペーパー賞】

本稿では,音楽音響信号理解技術によって音楽の聴き方をより豊かにするための能動的音楽鑑賞サービスSongleについて述べる.従来,研究開発段階の音楽インタフェースや技術を,日常生活で人々に使ってもらうのは容易でなかった.Songleでは,Web上で人々に能動的音楽鑑賞インタフェースを体験してもらうことで,音楽鑑賞がより能動的で豊かになる質的な変化を日常生活で起こすことを目指す.そして,Web上の任意の楽曲に対して楽曲構造,階層的なビート構造,メロディライン,コードの4種類の音楽情景記述を自動推定して可視化することで,それを見て再生したユーザの音楽理解が深まることを可能にする.しかし,自動推定では誤りが不可避である.そこで効率的な誤り訂正インタフェースをWeb上で提供し,誤りを人手で自発的に訂正する貢献を促す.そうした不特定多数による訂正がユーザ体験の改善に結びつくことで,Songleのさらなる利用を促していく.

後藤 真孝,吉井 和佳,藤原 弘将,Mauch Matthias,中野 倫靖(産総研)
スポーツの勝敗にまつわるネタバレ防止手法の検討 (011)
スポーツの勝敗にまつわるネタバレ防止手法の検討

スポーツの試合を録画して後で視聴することを楽しみにしているユーザにとって,Web上で遭遇してしまう試合経過や結果などのネタバレ情報は,そのスポーツの試合を視聴する楽しみを減退させる忌むべきものである.本稿では,こうしたネタバレを防止するためのフィルタリング手法を実現し,その有効性についての評価実験を実施した.



中村 聡史(京大),小松 孝徳(信州大)
虚偽情報フィードバックを用いた生体情報の制御システム (039)
虚偽情報フィードバックを用いた生体情報の制御システム

近年,健康への意識の高まりから健康支援システムに対する注目が集まっているが,従来の健康支援システムは生体情報をもとにアドバイスを送るような間接的な支援がほとんどであった.本研究では,健康支援システムが提示する情報の内容をユーザが疑わないことを活用し,プラセボ効果を用いて生体情報を操作する新しい健康支援システムを提案する.本稿ではそのような健康支援システムを実現するために,運動時や緊張時のように心拍が大きく変化する状況において虚偽情報をユーザに提示することにより生体情報に影響を与えられるか検証する.評価実験の結果から,虚偽情報の有効性はユーザにより異なるがその影響には一貫性があることや,虚偽情報の種類により影響の大きさが異なることが確認された.また,現在の心拍数とコンテキストにより,自動で虚偽情報を生成し提示するシステムを実装した.

中村 憲史,片山 拓也,寺田 努,塚本 昌彦(神戸大)
拡張満腹感:拡張現実感を利用した食品の見た目の操作による満腹感のコントロール (012)
拡張満腹感:拡張現実感を利用した食品の見た目の操作による満腹感のコントロール

食事から得られる満腹感は,食事そのものの量だけでなく,食事の際の周辺の状況に大きく左右されることが近年明らかになってきている.こうした知見に基づき,本研究では,拡張現実感技術を用いることで満腹感の手がかりとなる要因を操作し,同量の食事から得られる満腹感を操作することを提案する.本稿では,満腹感に影響を与える要素の一つである食品の見た目の量に着目して構築した,リアルタイムに視覚的な食事ボリュームを変化させてフィードバックする「拡張満腹感」システムについて説明し,提案システムがユーザの食品摂取量に影響を与えることができるかについて評価した実験の結果について報告する.

鳴海 拓志,伴 祐樹,梶波 崇,谷川 智洋,廣瀬 通孝(東大)
MM-Space: 動的投影を用いた頭部運動の物理的補強表現に基づく会話場再構成 (009)
MM-Space: 動的投影を用いた頭部運動の物理的補強表現に基づく会話場再構成

複数人物による対面会話場面を実世界に再構成するためのシステムを提案する.本研究では,時間・空間を隔てた会話の状況を,あたかもその場にいるかのように観測できるシステムの実現を目指し,会話者の顔画像をスクリーンに投影しつつ,その人物の頭部運動をスクリーンの物理的な運動として補強して提示するという表現モダリティを提案する.本システムでは,会話者の人物配置に合わせて,別地点に複数のプロジェクタ,及び,透過型スクリーンが配置され,各スクリーンに等身大の人物像が投影される.スクリーンにはアクチュエータが接続され,計測された会話者の頭部姿勢と同期して,スクリーンの姿勢が動的に制御される.人物の頭部運動には,視線方向の遷移に伴う首振りや頷きが含まれ,このスクリーンの物理的な運動と画像運動との相乗効果により,これら会話者の動作がより明確に観測者により知覚されることが期待される.さらに枠なし透明スクリーンへの背景なし人物像の投影により,遠隔人物が観測者の部屋の背景に重畳表示され,高い存在感の醸成も期待できる.本稿では,このスクリーンの動きの効果として,会話者の視線方向がより分かりやすく,その結果,話し手の話し掛ける相手がより正確に理解されるという仮説を立て,被験者実験によりこの仮説の妥当性を示唆した.

大塚 和弘,熊野 史朗,三上 弾,松田 昌史,大和 淳司(NTT)
LiveMask : 立体顔形状ディスプレイを用いたテレプレゼンスシステムにおけるコミュニケーションの評価 (020)
LiveMask : 立体顔形状ディスプレイを用いたテレプレゼンスシステムにおけるコミュニケーションの評価

我々は,立体的な顔スクリーンを持つテレプレゼンスシステムを提案する.このシステムは,遠隔話者の顔をトラッキングして頭部運動と顔領域を抽出する.頭部運動に応じて三軸で動く機構を持ち,遠隔話者本人と完全に同じ形状の顔スクリーンに本人の顔映像を投影する.スクリーンの立体形状を利用し,ユーザの非言語情報,特に2Dスクリーンでは伝達できない視線方向の伝達を目指している(“Mona Lisa effect”).本システムがどのようにコミュニケーションに効果があるか調べるため,3種類の実験を行った.1つは,顔スクリーンと2Dスクリーンを比較し,投影された人物の判別ができる死角を調べ,その結果を元に表情の読み取りやすさを比較した.2つめは平面ディスプレイとLiveMaskシステムを比較し,遠隔ユーザの指し示す方向を判別する評価を行った.3つめは,スクリーンの違いによる視線方向の評価を行った.その結果,顔スクリーンに投影すると広範囲な角度から人物の認識ができ,LiveMaskの首の動作は,平面ディスプレイより遠隔ユーザの指示方向が明確に伝わった.そして最も重要なことに,顔スクリーンは正確に視線方向を伝えることができ,Mona Lisa effectを解消することが分かった.

三澤 加奈(東大),石黒 祥生(東大/JSPS),暦本 純一(東大/ソニーCSL)
身体性遠隔コミュニケーションにおけるユーザとアバタの視点の一致 (003)
身体性遠隔コミュニケーションにおけるユーザとアバタの視点の一致

本論文では,仮想的な身体を持つアバタを用いた遠隔コミュニケーションシステム PROT AVATAR におけるアバタ操作手法に関する実験をもとに,得られた知見について議論する. PROT AVATAR によるコミュニケーションでは,表情により感情を伝えたり,指差し動作により遠隔の環境内を指し示すことができる.アバタとの対話者はアバタの操作者がその場所にいるかのように対話することができる.しかし,アバタの操作者のとる視点はアバタの視点とは異なることがあるため,アバタの操作者の発話がアバタとの対話者にとっては自然ではない場合がある.本論文では,アバタの操作手法として,自動操作手法と半自動操作手法の2つの手法を設計・実装し,比較実験を行った.実験の結果,半自動操作手法のほうが自動操作手法よりも,アバタとの対話者にとって自然な発話を行うことが示された.また,実験を通して得られた遠隔コミュニケーションシステム関する知見をまとめる.

石井 健太郎(東大),谷口 祐司,大澤 博隆(慶大),中臺 一博(ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン),今井 倫太(慶大)
身体動作の提示による遠隔対話の円滑化 (059)
身体動作の提示による遠隔対話の円滑化

遠隔地の対話者を視覚的に提示する方法として,ビデオ,アバタ,写真の3つの方法が挙げられる.しかし,これらの方法による音声対話への効果を観察データから明らかにしたという報告はない.我々はそのような観察データを得るために,発話中の途切れの頻度と割合に注目した.そして,我々は視覚的に提示する情報について身体動作と外見の要因に分け,音声対話への効果を確認するため4つの条件を設定した.設定した4条件は,身体動作と外見を提示するビデオ条件,身体動作のみを提示するアバタ条件,外見のみを提示する写真条件,何も提示しない音声のみの条件である.我々はこれらの条件下で対話実験を行い,発話中の途切れの回数と時間を調べた.その結果,外見の提示の有無に関らず,身体動作の提示によって途切れの回数と時間が減少していることが分かった.この結果は,身体動作の提示により音声対話が円滑化していること示しており,アバタがビデオを代替する可能性も示唆している.

尾上 聡,山本 健太(阪大),田中 一晶(阪大/JST),中西 英之(阪大)
ウェアラブル・アバタTEROOSを用いたフィールドテストとその分析 (027)
ウェアラブル・アバタTEROOSを用いたフィールドテストとその分析

本稿では,肩に取り付けられるウェアラブル・アバタTEROOS を用い,フィールドテストを行った.TEROOS を肩に装着することで,遠隔地の相手と視線を共有することを実現する.さらに,TEROOSは擬人化可能な顔を備えており,装着者の周囲の人物とTEROOS とのコミュニケーションを促進する.フィールドテストでは,道案内や買い物といった場面において遠隔地に居る操作者とTEROOSの装着者の間のコミュニケーションを違和感なく支援できることを確認した.また,本稿では会話分析を行ない,TEROOS の操作者が,装着者の周囲状況に基づいて適切な道案内や買い物に必要な情報を与えることができている事を確認した.特に,会話対象となる物体を互いに簡単に同定し,物体を参照した会話を円滑に行う事ができていた.また,操作者がTEROOS を介して商品について店員に質問をしたところ,店員は典型的な社会的マナーを示した.

柏原 忠和,大澤 博隆(慶大),篠沢 一彦(ATR),今井 倫太(慶大)
リズム学習を考慮したピアノ演奏学習支援システムの構築 (040)
リズム学習を考慮したピアノ演奏学習支援システムの構築

ピアノ演奏では,正確な打鍵や適切な指使い,リズム(打鍵および離鍵のタイミング)などさまざまな技術が求められる.筆者らの研究グループでは,演奏初期段階における打鍵位置や運指の習熟を高める学習支援システムを構築してきたが,リズムの学習に関しては考慮してこなかった.楽譜にはさまざまな音長の音符や休符が存在するが,譜読みに慣れていない初学者が,5線譜上に書かれた音符および休符の音長をイメージすることは難しい.また,ピアノロール譜のように,打鍵や離鍵のタイミングを明確に提示する楽譜も存在するが5線譜の学習ができない.そこで,本研究ではこれらの問題を解決するために,リズム学習を考慮した5線譜ベースのピアノ演奏学習支援システムの構築を目的とする.提案システムは,音長を逐次チェックする機能をもち,リズム情報を直観的に提示する手法について検討している.さらに,ピアノロール譜を比較対象とした評価実験を行い提案手法の有用性を検証した.

竹川 佳成,寺田 努,塚本 昌彦(神戸大)
ClippingLight: 投影式ビューファインダとひねりズームを組み合わせた手軽で素早い撮影手法 (016)
ClippingLight: 投影式ビューファインダとひねりズームを組み合わせた手軽で素早い撮影手法

近年,カメラはビジュアルマーカの認識に使われたり,コンピュータビジョンの入力として使われるなど様々な用途に用いられる.特にビジュアルマーカの認識に撮影画像を使用する場合では,写実性を考慮するよりは,素早く手軽な撮影を優先する場合がある.しかし,既存のデジタルカメラでは液晶画面越しに撮影領域や対象物の構図を決めていた.このような撮影手法では,写実性を優先した撮影は可能であるものの,小型の液晶画面を通して撮影を行うためユーザの視野が制限され,動物体の撮影や複数の被写体を連続で撮影することが難しい問題があった.また,実世界で撮影対象物を決めてから液晶画面内で撮影を行うことが多いため,実世界から液晶画面の仮想世界を跨ぐ必要があり,手軽で素早い撮影が行なえていないのではないかと考えた.そこで本研究では,手軽で素早い撮影手法として投影式ビューファインダとひねりズームを組み合わせたClippingLightを提案する.そしてそのClippingLightにより,静止したターゲット,動ターゲットの撮影を行った場合の撮影にかかるユーザの時間的・心理的負荷について調査を行った.その結果,一般的なデジタルカメラに比べClippingLightの方が素早く,快適で容易な撮影が可能であることが分かった.

上羽 優貴(阪大),梶原 康宏(リコー),上村 敬志,酒田 信親,西田 正吾(阪大)
展開ヘルプ (024)
展開ヘルプ

多くの計算機やアプリケーションにはマニュアルやヘルプ機能が用意されているが、必要な情報をユーザが検索するのが難しいことが多いうえに、適切な機能がみつかった場合でも具体的なパラメタ はユーザが指定して操作を行なう必要がある。システムが実行可能な全ての機能をパラメタも含めて自然言語で幅広く表現しておき、それに対応する具体的な実行コマンドも同時に用意しておくことが できれば、「時計を 1:23 にセットする」のような具体的な操作目標を「時計 1:23」のようなキーワードで検索すると同時にその実行を指令することが可能になる。 ヘルプ対象システムが提供する全ての機能を正規表現を使って幅広く柔軟に記述し、機能を表現する 文字列を順次出力すると同時にユーザが指定したキーワードで効率的な曖昧検索を行なう「Generate and Filter」アルゴリズムにより、現実的な計算量でこのようなシステムを実現することが可能になる。本論文ではこのような「展開ヘルプ」システムの概念と実装について述べる。

増井 俊之(慶大)
インタラクティブテーブルトップのための補色偏光投影による実影のみでアクセス可能な映像情報隠蔽 (037)
インタラクティブテーブルトップのための補色偏光投影による実影のみでアクセス可能な映像情報隠蔽

我々は,補色偏光投影を利用した映像情報隠蔽手法を提案し,ユーザのつくる実影領域にのみ視覚情報が浮かび上がるインタラクティブテーブルトップを構築する.この時,影以外の領域(影をつくる遮蔽物・テーブルに置かれた実物体(書類等)・影以外のテーブル表面等)には,単一グレー光が投影表示され,視覚情報が隠蔽される.これは,3 台のプロジェクタ(2 台はテーブルトップ上方に,残り1 台は背面に設置)より,背面から視覚情報を,上方からその補色画像を投影することで実現する.背面プロジェクタおよび上方に設置したプロジェクタのうち1 台の計2 台より投影した状態では,ユーザは前面プロジェクタより投影される補色画像を手で遮蔽し,テーブル上に影をつくることで隠蔽されている視覚情報を閲覧することができるが,この時,手(遮蔽物)の上面に,前面プロジェクタから投影される補色画像が現れてしまう.そこで遮蔽物の上面に単一グレー光を提示するために,上方に設置したもう1 台のプロジェクタおよび偏光フィルタを用いる.提案システムでは認識処理を全く用いていないことから,ユーザは誤認識やディレイのないインタラクションを享受することができる.

三木 麻理子,岩井 大輔,佐藤 宏介(阪大)
指先への電気刺激により触覚提示を行うタッチディスプレイ技術 (045)
指先への電気刺激により触覚提示を行うタッチディスプレイ技術

我々は,操作者の指先に電気刺激を与える,新しいタッチインタフェース技術を提案する.表面が導電層から成り,圧力検知が可能なタッチインタフェースにより,操作者の指先に低周波の電気刺激を加えることで指先に振動しているかのような感触や,一時的な衝撃を与えることができる.また,電気刺激の強さの制御を行い,ユーザの押下圧に準じて段階的に触感を提示することを可能とした.本稿では提案システムの詳細とその上で実現されるインタラクション技術について述べる.

衛藤 春菜(明治大),的場 やすし,佐藤 俊樹(電通大),福地 健太郎(明治大),小池 英樹,梶本 裕之(電通大)
ストリング内蔵型ハプティックインタフェースSPIDAR-Iの開発 (051)
ストリング内蔵型ハプティックインタフェースSPIDAR-Iの開発

本論文はストリング内蔵型ハプティックインタフェースの設計と実現について述べる.本デバイスは,ハプティックインタフェースSPIDARの位置・姿勢計算アルゴリズムを再検討し,性能改善を目的として最適設計したものである.その結果,パームサイズの小型でありながら,十分な忠実性の高い位置・姿勢計算が実現可能となった.提案するデバイスはグリップの内側に糸を配置するため小型化が可能であるとともに,ユーザビリティに優れている.本デバイスは6自由度(3自由度の平行移動と3自由度の回転)の位置・姿勢測定とともに6自由度の力覚提示が可能である.

五十嵐 達郎,田島 寛之,小山 達也,朱 顔,赤羽 克仁,佐藤 誠(東工大)
Smart Makeup System: ライフログを用いた化粧支援システム (035)
Smart Makeup System: ライフログを用いた化粧支援システム

現代の成人女性の大半は人前に出る際に化粧をしているが,化粧に対する悩みを抱える女性も多い.特に,化粧のバリエーションを増やすことは難しい.我々はこのような女性の悩みに着目し,化粧ログ(化粧顔写真と使用した化粧品情報)を手軽に記録し,Webにアップロードして他者と共有することで化粧のバリエーション増加を支援するシステム「Smart Makeup System」を提案/実装し,4名の被験者の各家庭環境で15日間の運用実験を行った.本論文ではSmart Makeup Systemの詳細を述べたのち,運用実験の詳細と結果,考察について述べる.

中川 真紀,塚田 浩二,椎尾 一郎(お茶の水女子大)
ヨミログ:読書ログによる個人に応じた読了時間推定システム (038)
ヨミログ:読書ログによる個人に応じた読了時間推定システム

KindleやiPadなどのタブレット端末の普及に伴い,電子書籍で読書することは一般的になりつつある.通勤途中や休憩中などに読書する際,その時間に合わせて読書を終えたいというニーズはあるが,これまで読了時間を推定するようなシステムは存在しなかった.そこで本研究では,本人の既読作品の読書データをもとに読了時間を推定する手法と,本人と他人の読書力の差を用いて読了時間を推定する2つの手法を提案し,検討する.評価実験の結果,前者は重回帰分析の決定係数が0.81で誤差が16.9%,後者が決定係数が0.78で誤差が12.0%と良好な結果が得られ,有効性が示された.

伊藤 雄一,縣 啓治(阪大),高嶋 和毅(東北大)
人と違う自由度のロボットと人はどう対話するか:人-ロボット間のインタラクションデザイン再考 (043)
人と違う自由度のロボットと人はどう対話するか:人-ロボット間のインタラクションデザイン再考

本研究ではWizard of Oz手法とテレオペレーション技術を組み合わせ、人間がロボットの入出力を借りてユーザとインタラクションを行い、人間以外のロボットの対話戦略における最適解を見つけ出すという手法を提案する。本研究では、身体部品が再構成可能なロボットを用い、人間と類似の自由度を持つロボットと、首が固定され人間と違う自由度を持つロボットを介した、積み木組み立て課題における対話戦略の変化を比較した。その結果、首が固定されたロボットの場合には、ユーザが確認動作を期待しなくなるため、ターンテイキングを必要としなくなること、インタラクションが人間主導からロボット主導に移り変わるという知見が得られた。

大澤 博隆,今井 倫太(慶大)