メッセージ

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大会長よりメッセージ

インタラクション2020 大会委員長 長谷川晶一(東工大)

■オンライン開催にあたって

インタラクションの大きな魅力の一つに、160を越えるデモを体験し、ポスターを見て回り、濃密な議論ができることがあります。現地開催にこだわって、新型コロナウイルスCOVID-19の感染予防を十分に行い、安全に開催するための準備を進めてきたのはこのためです。しかしながら、大流行の防止のために全国規模のイベントに中止要請が出される事態となり、2月26日に完全オンライン開催への移行を決めました。会期10日前での変更となり、皆様にご迷惑とご負担をおかけすることとなりましたことを深くお詫びします。
一方で、オンライン開催により新たなインタラクションの可能性が見いだせるとも考え、実行委員会一同、鋭意準備を進めております。インタラクションの研究者、専門家である発表者、来場者の皆様のお知恵により、オンライン開催が新たなインタラクションを試す場、発見する場になればと願っております。
基調講演を含むランチョン以外のすべてのセッションをプログラム通りに行う予定です。皆様のオンライン参加を心よりお待ちしています。

1997年に始まった情報処理学会インタラクションシンポジウムは今回で24回目の開催となります。ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会、グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会、ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会、エンタテインメントコンピューティング(EC)研究会、デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会の5研究会が主催で、ユーザインタフェース、CSCW、可視化、入出力デバイス、VR/拡張現実、ユビキタス/ウェアラブルコンピューティング、エンタテインメントデザイン、コンテンツ制作、ソフトウェア工学といった計算機科学、さらには認知科学、社会科学、文化人類学、メディア論、アート、デザインといった人文学の研究者および実務者が一堂に会し、文字通りインタラクションに関わる最新の技術や知見についてインタラクティブに議論する場を提供してきました。
本シンポジウムは、招待講演、厳正なる査読を経て選ばれる一般講演発表(オーラル発表)、実機の展示デモンストレーションを行うインタラクティブ発表(デモ)、および発表者と参加者との議論を目的としたインタラクティブ発表(ポスター)から構成されます。インタラクティブ発表は特に本シンポジウムの特徴となっており、論文では得られない直接体験とインタラクティブな情報交換―会場に来て研究成果を見て・触れて・ディスカッションをする大きな意義のあるものです。当日の様子は、登壇発表、インタラクティブ発表の概要説明、表彰式などについてはネット配信しますので、残念ながら参加できない方はこちらもご活用ください。
さて、インタラクション研究は、インタラクションを成立させ機能させる段階から、使いやすさやわかりやすさを経て、快適さ、楽しさ、感動といったインタラクション体験自体の価値の向上も研究の射程に入ってきたと考えられます。これには、高度な情報学の技術・知見と必ずしも明文化が容易でないアート・デザインを含む人文学の知見・手法の両方が貢献すると考えられます。インタラクティブ発表が両分野の交流と新たな発見や着想が生まれる場として働くことを願ってやみません。今大会では、基調講演でも、高度な技術と芸術により感動を生むインタラクティブ体験を作られている、クリエータで研究者の先生をお招きします。ご期待ください。
最後になりましたが、インタラクション2020の開催にあたり、会場の学術総合センター、国立情報学研究所をはじめ、多くの協賛学会並びに企業様のご協力をいただいております。この場を借りて厚く御礼申し上げます。また、実行委員会・プログラム委員会の委員の皆様には、ボランティアの域を超えて一丸となって準備にご尽力いただき、心から感謝申し上げます。しかしながら、インタラクションシンポジウムの更なる発展のためには、発表者、参加者の皆様一人ひとりのご協力が不可欠です。委員だけでなく、参加者全員で素晴らしいインタラクション2020を実現したいと思いますので、ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

インタラクション2020 プログラム編成にあたって

インタラクション2020 プログラム委員長 志築 文太郎(筑波大学)

今回のインタラクションでは、前回に続き、登壇発表、インタラクティブ発表(デモ)、インタラクティブ発表(ポスター)という3つのカテゴリで発表を募集しました。また、本シンポジウムが、なるべく多くのアイディアやテーマを参加者同士で共有、議論する機会となるように努めました。

■プログラム委員会について

今年もこれまでのプログラム委員会の構成を引き継ぎました。メタ査読者として複数の論文を俯瞰するチーフプログラム委員(18名)と、個々の論文の詳細な査読を担当するプログラム委員(75名)、委員長、副委員長を含めた95名からなるプログラム委員会が審査にあたりました。

■登壇発表について

各チーフプログラム委員は、プログラム委員からの査読結果を踏まえ、オンラインで議論を行い、採否判定案を作成します。その上で、チーフプログラム委員の採否判定会議を2019年12月9日~10日にかけて開催し、十分な議論を経て、登壇発表の採択論文を決定しました。なお、インタラクション2020では、1論文につきチーフプログラム委員1名、プログラム委員5名を割り当てました。

登壇発表には40本の投稿があり、20本を採択しました。一部のボーダーライン上の論文にはShepherdingを行い、チーフプログラム委員が論文の改善を個別に確認した上で採録しました。Shepherdingを通して、新規性は高いものの発展途上の論文を積極的に採択し、インタラクションコミュニティの活性化に配慮しました。

 

■インタラクティブ発表について

インタラクティブ発表では厳密な査読は行いませんが、特に優れた発表である「プレミアム発表」と、研究や論文の質に著しい問題のある論文を発見するために、チーフプログラム委員/プログラム委員を1論文につき4名割り当て、スクリーニングを行いました。その結果、224本の投稿から、36本をプレミアム発表、187本を一般発表として採択しました。プレミアム発表は、プログラム委員会選出のインタラクティブ発表賞の候補となり、発表当日にチーフプログラム委員団の巡回審査を経て受賞が決定します。

インタラクティブ発表(デモ)とインタラクティブ発表(ポスター)のスクリーニングの結果の詳細は以下の通りです。

インタラクティブ発表(デモ)

投稿167件、プレミアム採録33件、一般採録133件、不採録1件

インタラクティブ発表(ポスター)

投稿 57件、プレミアム採録 3件、一般採録 54件、不採録0件

■おわりに

私はこのシンポジウムの初回であるインタラクション1997に参加していました。インタラクション1997のプログラムを改めて眺めてみると、初回には登壇発表とインタラクティブ発表がそれぞれ15件(計30件)ありました。あれから23年、インタラクション2020では3つのカテゴリの合計で243件の発表が予定されています。この過去最大規模の件数への評価は将来に委ねますが、私にはインタラクションコミュニティの広がりを物語っているように感じられ、また、今後もまた楽しみでなりません。