メッセージ
実行委員長メッセージ 小川剛史(東京大学)

インタラクション2026にようこそ。
情報処理学会インタラクションシンポジウムは1997年に第1回が開催されて以来、多くの研究者・実務者・学生の皆様に支えられながら発展を続けてきました。インタラクション2026は、記念すべき第30回という大きな節目の開催となります。こうして節目の年を迎えられることを、大変うれしく、また感慨深く感じております。
この30年間を振り返ると、学術や技術の潮流は大きく変化し、社会もまたさまざまな出来事を経験してきました。とりわけ、第15回のインタラクション2011では、シンポジウム開催中に東日本大震災が発生しました。新型コロナウイルス感染症の拡大により対面で集うことが難しくなった時期もありました。それでもインタラクションは、形を変えながらも知の交流の場を守り続け、オンライン開催や多様なツールの活用など、新しい工夫を積み重ねながら開催されてきました。
こうして欠かさず開催が続けられてきた背景には、歴代の大会委員長・プログラム委員長をはじめ、実行委員・プログラム委員、学生スタッフ、協賛企業、そして何より発表・参加してくださる皆様の多大な尽力があります。過去の委員の方々が積み重ねてくださった努力と工夫、そしてコミュニティへの深い献身があってこそ、今日のインタラクションがあります。この場をお借りして、これまで運営に携わられたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。
インタラクションは、登壇発表に加え、デモやポスターを中心としたインタラクティブ発表を通じて、「実際に見て・触れて・体験しながら議論する」ことに大きな価値を置いてきました。研究成果を共有するだけでなく、偶然の出会いや率直な対話を通じて新しい着想が生まれる―そのような“場の力”こそが、インタラクションの魅力であり、コミュニティを前に進めてきた原動力だと思います。
第30回を迎える今年も、分野の広がりとともに、多彩な研究・技術・実践が一堂に会するプログラムが用意されています。ぜひ会期中は、発表を聴くだけでなく、展示を体験し、発表者や参加者の皆様と積極的に議論し、たくさんの刺激や驚きを持ち帰っていただければ幸いです。
最後になりますが、本シンポジウムの開催にあたりご協力いただいたすべての皆様に、改めて深く御礼申し上げます。インタラクション2026が、参加される皆様にとって有意義で思い出深い時間となり、次の30年へ向けた新たなつながりや挑戦につながることを願っております。
プログラム委員長のメッセージ(公立はこだて未来大学)

今回のインタラクションの募集カテゴリは、例年同様、登壇発表、インタラクティブ発表(デモ)、インタラクティブ発表(ポスター)でした。
■プログラム委員会について
今年もこれまでのプログラム委員会の構成を引き継ぎました。メタ査読者として複数の論文を俯瞰するチーフプログラム委員(23名)と、個々の論文の詳細な査読を担当するプログラム委員(65名)、委員長、副委員長を含めた88名からなるプログラム委員会が審査にあたりました。
■登壇発表について
各チーフプログラム委員は、プログラム委員からの査読結果を踏まえ、オンラインで議論を行い、採否判定案を作成しました。その上で、チーフプログラム委員の採否判定会議を2025年11月25日~26日にかけて対面にて開催し、十分な議論を経て、登壇発表の採択論文を決定しました。なお、インタラクション2026では、採否判定会議において各論文を読んだ委員が2名以上いるという体制を目指し、1投稿につき、メタ査読者としてチーフプログラム委員1名、一般査読者としてチーフプログラム委員1名+プログラム委員3名を割り当てました。
登壇発表には23件の投稿があり、そのうち13件を採択しました(採択率56.5%)。採否判定にあたっては、インタラクション研究としての新規性や将来性を重視し、シンポジウムの場で共有する意義が高いと判断した投稿を採択しました。
一部の投稿についてはShepherdingを行い、チーフプログラム委員が投稿の改善を個別に確認した上で採録しました。Shepherdingを通して、新規性は高いものの、改善の余地があった投稿も積極的に採択し、インタラクション研究のコミュニティにおいて共有すべき有益な知見を提供できるよう配慮いたしました。
最優秀論文賞ならびに優秀論文賞については、一定の査読スコア以上の投稿5件を選抜し、それを23名のチーフプログラム委員がコンフリクトを除くものを全て読み、順位をつけてもらいました。コンフリクトによりチーフプログラム委員ごとに読む論文数が異なるため、順位に基づいて正規化順位スコアを算出し,各論文の平均順位スコアの上位から選ぶことで決定しました。
また、2026年2月に発刊された情報処理学会「インタラクションの理解および基盤・応用技術」特集号から論文3件を招待して、登壇発表内で発表いただきます。
■インタラクティブ発表について
近年、インタラクティブ発表においては会場のキャパシティを超える投稿数があり、全てを受け入れることが難しい状態が出てきています。そこで、昨年度から投稿された論文をスコアリングし、会場のキャパシティが許す上限の投稿を採択することとしています。スコアリングは「論文評価点」と「対話喚起性」で評価し、総合スコアは論文評価点×2 + 対話喚起性とすることで算出しました。また、1つの投稿あたり5名のチーフプログラム委員/プログラム委員を割り当てました。
インタラクティブ発表には250件の投稿があり、スコア上位の45件をプレミアム発表、205件を一般発表として採択し、今年は全件を採択することができました。プレミアム発表はプログラム委員会選出のインタラクティブ発表賞の候補となり、発表当日にチーフプログラム委員団の巡回審査を経て受賞が決定します。
インタラクティブ発表(デモ)とインタラクティブ発表(ポスター)のスクリーニングの結果の詳細は次の通りです。
インタラクティブ発表(デモ):
投稿:172件,プレミアム採択:31件(18.0%),一般採択:141件
インタラクティブ発表(ポスター):
投稿:78件,プレミアム採択:14件(17.9%),一般採択:64件
■30周年特別講演について
30周年特別講演では、長年にわたり本分野を牽引し続けてこられた暦本純一先生をお招きいたします。本講演は、これまでのインタラクション研究の歩みを振り返るとともに、今後のインタラクション研究の可能性を考える貴重な機会となることが期待されます。
■おわりに
本年はインタラクション30周年という節目でもあります。30周年特別講演をはじめとする多彩なプログラムを通じて、これまで築かれてきた歴史を振り返るとともに、これからのインタラクション研究の広がりを感じていただければ幸いです。
ご投稿いただいた著者のみなさまに心より感謝申し上げます。また,厳正かつ丁寧な議論を重ねてくださったチーフプログラム委員・プログラム委員のみなさま,そして大会長をはじめとする実行委員のみなさまに心より謝礼申し上げます。
インタラクション2026が,参加者のみなさまにとって有意義で刺激的な場となり,新たな研究や協働へとつながることを心より願っております。