情報処理学会 インタラクション2016

本稿では，二輪車や歩行による移動時に，スマートフォンなどの端末を使用しなくても，自己位置や経路を把握しながら目的までたどり着けるように，社会的・視覚的に有用な3種類のランドマークを用いた経路推薦システムをが提案する．具体的には，マイクロブログや3D地理データに基づく建物や場所の人気度および可視性を判定することにより，1) 近くまで行かなければ視認できないがユーザの現在位置を高精度で同定できる，局所的（点の）ランドマーク，2) 遠方から視認できたり，視認できなくても進むべき方向が分かるが，現在位置をおおまかにしか同定できない，広域的（面の）ランドマーク，3) すぐ近くまで行かなければ視認できないが，その範囲が線状に広がりを持つ線のランドマークを抽出する．マイクロブログを用いることで，従来よりも人の感覚に近いランドマークが抽出できる．これらをランドマークを同時に用いるシステムを実装し評価することで，記憶しやすく道に迷いにくい経路検索が実現できることを確認した．