情報処理学会 インタラクション2020

文献情報

タイトル
半側空間無視のためのPA療法支援システムの視界共有下における指示方法
著者
  • 永吉 徹(長崎大)
  • 藤井 秋希良(長崎大)
  • 藤村 誠(長崎大)
  • 東 登志夫(長崎大)
アブストラクト
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半側空間無視(unilateral spatial neglect; USN)という病症に対してプリズム順応療法は有効な治療法の一つである.我々はVR技術を用いたPA療法支援システムを提案しており,これは患者がHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着してVR空間でリハビリテーションの課題を遂行し,医師が2次元モニターを通してその様子を確認するというものであった.患者はHMDを装着している間は現実空間を視認することが出来ないため,医師は患者に対して声で指示することになる.しかし,医師が患者とのリアルタイムの指示を行う場合,音声指示だけでは説明が困難な場合も考えられる.本研究ではHMDを装着した患者に対してリアルタイムに,より効果的に指示を出す方法として,医師もHMDを装着し仮想空間に入り,患者の視界を共有するシステムを検討した.医師は患者の視界を確認することができ,医師,患者それぞれの手に把持するコントローラに連動したカーソル間でリンクを表示した,リンク付きカーソルを用いた指示を提案する.評価実験では,リンク付きカーソルを用いた指示と音声のみの指示とで,カーソルをターゲットに接触させる課題達成までの時間を比較する評価実験を行った.その結果,医師がHMDを装着してリンク付きカーソルと音声で指示を出した方が,課題達成に要する時間が大幅に減少することがわかった.

雑誌名
インタラクション2020論文集
© 情報処理学会 2020
論文ID
3P-72
ページ
1037-1042
発行日
2020年3月2日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
住所 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台一丁目5番地 化学会館4F
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