情報処理学会 インタラクション2021

文献情報

タイトル
対象の数と関係性の表出が「かわいい」に与える影響の検証
著者
  • 塩見 昌裕(ATR)
  • 林 里奈(ATR)
  • 入戸野 宏(阪大)
アブストラクト
説明画像

人は似たものが並んでいる様子や,ある対象が他の対象との関係性を表出する様子を観察することで,「かわいい」と知覚する可能性が示唆されている.そこで本研究では,見た目が似通った3種類の対象(物体:サクランボ,人工物:ロボット,人:双子)の画像を用いて,数および関係性の表出が「かわいい」の知覚に与える影響を検証した.具体的には,WEBアンケートを用いて,それらの対象が1体のみ配置された場合,関係性を表出しないように2体が配置された場合,および関係性を表出するように2体が配置された場合の画像をそれぞれ被験者に提示し,「かわいい」と感じる度合いの比較を行った.実験の結果,全ての対象において,関係性を表出するように2体が配置されたほうが,関係性を表出しない2体および1体が単独で配置されるよりも「かわいい」と感じられることが分かった.一方,人の場合は,関係性を表出しない2体は,1体が単独で配置されるよりも「かわいい」と感じられ,物体と人工物の場合は,逆に,1体が単独で配置されたほうが,関係性を表出しない2体よりも「かわいい」と感じられることが示された.これらの結果から,複数の対象を配置する際には関係性を表出するように考慮することで,観察者がより「かわいい」と知覚することが示された.

雑誌名
インタラクション2022論文集
© 情報処理学会 2022
論文ID
6P06
ページ
850-852
発行日
2022年2月21日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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