情報処理学会 インタラクション2026

文献情報

タイトル
認知症当事者支援へ向けた大規模言語モデルを用いた身体的感情表現を伴う対話ロボット
著者
  • 張替 紘希(埼玉大学)
  • 永井 之晴(埼玉大学)
  • 鈴木 亮太(埼玉大学)
  • 小林 貴訓(埼玉大学)
アブストラクト
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介護施設等の現場では会話機会の減少が深刻な問題となっており,認知機能低下予防のため,会話機会の増大が急務となっている.会話機会を増やす目的で対話ロボットが用いられることも多いが,既存の対話ロボットは,大規模言語モデル (LLM) の発展により自然な発話内容を生成できるようになったものの,社会的会話において不可欠な共感やラポールの形成に重要な身体動作や声の抑揚といった非言語情報の表出が十分ではない.そこで,本稿では,大規模言語モデルと身体動作理論であるラバン理論,および感情表現可能な音声合成技術を統合し,発話内容の感情価に基づき,適切な身体表現と声色を自律的に生成する対話ロボットシステムを提案する.さらに,本システムを認知症当事者支援に応用し,個人の文脈を長期記憶として保持・活用する機能,歌詞読み上げによるカラオケ支援機能,言葉に詰まった際に文脈から発話内容を推測する対話補完機能を実装した.認知症当事者会における実証実験の結果,提案システムの豊かなマルチモーダル感情表現と個人の文脈に寄り添う記憶機能が,当事者の受容性を高め,継続的な関係構築に有効であることが示唆された.

雑誌名
インタラクション2026論文集
© 情報処理学会 2026
論文ID
1B53
ページ
363-368
発行日
2026年2月20日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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