情報処理学会 インタラクション2026

文献情報

タイトル
読解が分岐する文字表現「多義文字」の提案と体験型作品の評価
著者
  • 足立 侑享咲(京都精華大学)
  • Scott Allen(京都精華大学)
アブストラクト
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本研究は,二つ以上の文字の形態的特徴を統合し,読み手によって複数の読みが成立する文字表現 「多義文字」を用いて,読解の個別性と揺らぎを体験的に可視化することを目的とする.誤読が視覚的類似性に基づいて生じること [5],欠損情報が補完され得ること [3],読みの選択が経験によって方向づけられ得ること [4] を踏まえ,多義文字の生成手法として二文字の重ね合わせ合成を設計した.また制作を支援するため,文字形態に基づく語彙探索システム(図3?図5)を構築した.さらに文化的背景が読み選択に影響する可能性を検証するため,コミュニティ語彙を含む8組の多義文字を用いた予備調査を行った.これらの成果にもとづき,体験型作品「The story you read」を制作した.冊子形式で,多義文字を含む文章の読解と記述をページ単位で反復させ,選択が累積して物語全体が分岐する構造を採用した.展示で回収した冊子の分析と行動観察から,(i)人物呼称語彙を素材とした多義文字が物語の方向性を大きく分岐させること,(ii)文節単位の配置により局所的判断が優先され,文脈的整合性が維持されにくいことが確認された.以上より,多義文字は単語レベルの曖昧性にとどまらず,読解過程そのものを揺らがせる装置として機能し得ることを示す.

雑誌名
インタラクション2026論文集
© 情報処理学会 2026
論文ID
2A06
ページ
551-556
発行日
2026年2月20日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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