情報処理学会 インタラクション2026

文献情報

タイトル
空中超音波触覚における周波数変調を用いた情動遷移表現:バーチャルペットへの貢献感の拡張
著者
  • 康 中睿(東京大学)
  • 金 杜(東京大学)
  • 割澤 伸一(東京大学)
  • 伴 祐樹(東京大学)
アブストラクト
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バーチャル・アニマル・アシステッド・セラピーの分野においては, ユーザの能動的なケア行為によってバーチャルペットの状態が好転したという因果関係を実感すること, すなわち貢献感の形成は極めて重要である. しかし, 既存のシステムは視覚偏重であり, ユーザは自身の行為が相手の変化を引き起こしたという手応えを得にくいという課題があった. そこで本研究では, 空中超音波の焦点移動による周波数変調を用い, ユーザの撫で動作に連動して質感が粗さ(不快・警戒)から滑らかさ(快・リラックス)へとシームレスに変化するシステムを構築した. この時系列的な触覚変容をユーザの介入による状態改善プロセスとして機能させ, 貢献感の向上を果たすインタラクションシステムを提案する. 実験では, 触覚条件(快方向遷移, 不快方向遷移, 固定)と視覚条件(表情変化あり, なし)を要因とした被験者内設計を行い, バーチャルペットに対する情動知覚, 自分自身の貢献感, 愛着, および感情状態への影響を検証した. その結果, 特に視覚的な手がかりのない条件において, ユーザの行為と連動した快方向遷移の触覚変化の導入は, エージェントに対する貢献感を有意に向上させることが確認された. 本手法は, 視覚的手がかりが限定的な状況においても, ペットとの触覚インタラクションを通じてユーザの貢献感を向上させることを示し,バーチャル・アニマル・アシステッド・セラピーにおける触覚設計の有効性を示唆するものである.

雑誌名
インタラクション2026論文集
© 情報処理学会 2026
論文ID
2A14
ページ
588-593
発行日
2026年2月20日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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