情報処理学会 インタラクション2026

文献情報

タイトル
チャットツールにおける動的表示遅延を用いたネットいじめ削減手法の提案
著者
  • 川口 尊琉(東洋大学)
  • 神場 知成(東洋大学)
アブストラクト
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ソーシャルメディア上のネットいじめは,フィルタリングや警告メッセージといった既存の技術的対策にもかかわらず依然として深刻な課題である.本研究では,攻撃的なメッセージの送信に対して動的な表示遅延を適用することで,衝動的な有害発言を抑制しエスカレーションを遅らせるインタラクション手法を提案する.提案システムは,ChatGPT APIによる会話コンテクスト解析と高リスク語彙リストを用いてリスク度を推定し,評価結果に応じて5? 25秒の表示遅延を加える.評価にあたっては,LLMにより軽度・中度・重度の攻撃性を持つ模擬チャットログを生成し,可視化ツールを用いて,遅延なし,発話者のみを遅延させる個人遅延,全参加者を一時停止するグローバル遅延の3条件を比較した.その結果,遅延は会話の終了時間を大きく伸長させる一方で,個人遅延では発話順序の崩れや共感発話の消失が生じ,グローバル遅延では会話の流動性が低下することが示された.これらの知見から,時間的摩擦は単なる技術的介入に留まらず,会話の社会的ダイナミクスを再構成する設計要素であることを指摘し,今後のユーザー研究やインターフェース設計に向けた含意を議論する.

雑誌名
インタラクション2026論文集
© 情報処理学会 2026
論文ID
2B20
ページ
611-616
発行日
2026年2月20日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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