情報処理学会 インタラクション2026

文献情報

タイトル
人とAIのあいだにある声 ~ ハイブリッド音声が醸し出す“親しみ”の分析~
著者
  • 何 平(文教大学)
  • 武藤 剛(文教大学)
アブストラクト
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本研究では,特定話者の音声と特定話者が存在しない人工知能(AI)により生成された人工音声を任意の比率で混合した「ハイブリッド音声」を生成するシステムを新たに構築し,それにより生成された人工音声に対する聴取印象がどのように変化するかの検討を行った.具体的には,高精度音声合成モデルXTTS-v2を用いて,面識のある人物(知人)の参照音声から生成した日本語と中国語の母語話者の音声と,モデルが生成する人工音声を複数の混合比率で作成し,評価刺激として提示した.そして,その音声を中国語母語話者10名および日本語母語話者9名を対象に実施し,混合比率の違いおよび聴取者と話者の親密度が印象形成に与える影響を分析した.その結果,人工音声とのバランスが印象形成に関与する可能性が示された.特に,混合比率が0.5において「違和感」や「よそよそしさ」 は相対的に少なく, 「好感」および「親近感」は相対的に高まる傾向が示され,知人の音声と人工音声との中庸なバランスが, 「親しみ」のある声という印象形成に関与する可能性が示唆された.このことは,本提案手法が,対話型エージェントや感情共感型AIにおいて,ユーザ特性や利用文脈に応じた合成音声の設計指針となる可能性を示している.

雑誌名
インタラクション2026論文集
© 情報処理学会 2026
論文ID
2B26
ページ
636-641
発行日
2026年2月20日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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