情報処理学会 インタラクション2026

文献情報

タイトル
バーチャル環境における身体性を伴うセルフディスタンシングが集団意思決定に及ぼす影響
著者
  • 市野 順子(早稲田大学)
  • 井出 将弘(東京都市大学/TIS株式会社)
  • 横山 ひとみ(岡山理科大学)
  • 淺野 裕俊(工学院大学)
  • 宮地 英生(東京都市大学)
  • 岡部 大介(東京都市大学)
アブストラクト
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組織やチームにおける意思決定において,構成員一人ひとりが自己の価値観や知識などにとらわれず,俯瞰的な視点から議論に関与することは重要である.こうした視点の獲得を支援する手段の一つにセルフディスタンシングがあるが,多人数による意思決定を伴う議論という社会的文脈でどのように機能するかはわかっていない.本研究は,セルフディスタンシングを没入型バーチャル環境に適用し,それが集団意思決定に及ぼす影響を調査した.144名の参加者(48の3人組,20~49歳)が,自己アバターを後方から観察する「自己隔離的視点」と一人称視点で観察する「自己没入的視点」のいずれかを用いて,2種類の意思決定タスクを行った.分析の結果,身体性を伴うセルフディスタンシングは,意思決定の質(コンセンサスに賛成した程度及び,他者の最終意見を正しく推測した程度の向上),コミュニケーション行動(会話の流れを調節するためのジェスチャー行動の増加),グループメンバーの認識(集団内葛藤及び感情の相互依存性の減少)に有意な影響を及ぼした.全体として,身体性を伴うセルフディスタンシングは,対立の抑制や緩和が重視される局面には適し,共感や傾聴が重視される対話には適さない可能性が示唆された.

雑誌名
インタラクション2026論文集
© 情報処理学会 2026
論文ID
INT26005
ページ
31-40
発行日
2026年2月20日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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