情報処理学会 インタラクション2016

文献情報

タイトル
触覚提示を用いたフレーズ内在化に基づく打楽器学習支援システム
著者
  • 菅家 浩之(神戸大)
  • 寺田 努(神戸大/JST)
  • 塚本 昌彦(神戸大)
アブストラクト
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打楽器演奏では,正しい叩打順序や叩打強弱で演奏することが重要である.演奏技術を向上させる上では,フレーズや強弱パターンが身体に身に付き,その演奏情報が学習者の内面に取り込まれた状態(内在化した状態) になることが重要である.しかし,従来の電子譜面等や音楽ゲームなどの学習方法では学習者は実際に打楽器を叩く動作をしながら情報提示を受けるため,複雑な演奏動作を行う打楽器演奏においては演奏情報の提示に注力できず,フレーズを内在化させることが難しい.そこで本研究では,学習者が演奏情報を正しく取り込むために,学習過程において情報提示を受けフレーズを内在化させるフェーズと叩打動作を実際に行うフェーズを分離する学習方法を提案する.提案手法では演奏情報の提示を受けることに注力させる学習を予め行うことで,フレーズを正しく演奏する感覚を身体に内在化させる.本稿では,触覚,視覚および聴覚による情報提示を用いたフレーズの内在化による打楽器学習支援システムを提案し,プロトタイプシステムを構築した.また,プロトタイプシステムを用いて提案手法の有用性の検証を行った.評価実験の結果より,提案手法を用いて課題フレーズを学習した場合,従来の学習方法に比べ学習時間を短縮できることが示された.

雑誌名
インタラクション2016論文集
© 情報処理学会 2016
論文ID
16INT011
ページ
89-96
発行日
2016年2月24日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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