情報処理学会 インタラクション2016

文献情報

タイトル
不覚筋動を利用した迷いごと相談システムによる相談者の隠れた選好の推定
著者
  • 前田 真梨子(京都工繊大)
  • 尾関 基行(武庫川女子大)
  • 岡 夏樹(京都工繊大)
  • 深田 智(京都工繊大)
アブストラクト
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これまで我々は,「どっちがいいと思う?」という比較的どうでもよいが無視はできない相談事の相手をしてくれるシステムを構築してきた.相談者の迷っている二つの項目がディスプレイ上に表示され,きつねの姿をしたCGエージェントがその間を行き来して,最終的に行き着いた方の選択肢を相談者に提案する.このエージェントの動きは,実は相談者自身の筋肉の動きに遅延をかけてフィードバックしただけのものであるが,相談者が潜在的に好ましいと思っている方向に無意識的に動くという仮説を立てた.以前に開発したシステムはスマートフォンアプリとして実装したが,エージェントの提案と相談者の最終決断が一致する割合について,提案手法と統制条件(ランダム制御)の間に有意差はみられなかった.その原因について我々は「ディスプレイを見る際に自分の手が含まれてしまうことによる動作原理への気付き」と考え,スマートフォンは入力デバイスとして使用しつつ,エージェントが選択する様子は外部のディスプレイに表示するシステムを開発した.20名の女子大生にシステムを使用してもらったところ,エージェントの提案と相談者の最終決断が一致する割合について,ランダム制御よりも提案手法のほうが高くなる傾向がみられた.

雑誌名
インタラクション2016論文集
© 情報処理学会 2016
論文ID
2C56
ページ
704-709
発行日
2016年2月24日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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