情報処理学会 インタラクション2019

文献情報

タイトル
ユーザの感情の種類と原因を考慮した対話エージェントの応答モデルの開発
著者
  • 沼田 崇志(日立製作所)
  • 朝 康博(日立製作所)
  • 北垣 友博(日立製作所/東大)
  • 橋本 剛明(東大)
  • 唐沢 かおり(東大)
アブストラクト
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近年の人工知能(AI)に関する技術の発展に伴い,新たな価値を持つサービスやシステムの提案が期待されている.AIを活用し快適で豊かな生活を送るためには,AIのインタフェースとして,ユーザの感情に合わせて適切に応答し,ポジティブな気分を誘起することで,ユーザと信頼関係を構築できる対話エージェントが有用となる.本研究では,特定の感情とその原因を示すエピソードを呈示し,その際の対話エージェントの応答による主観的気分を評価することで,感情の種類と原因による最適な応答を抽出した.その結果,ユーザが喜び,悲しみまたは驚きを感じた場合は,原因に関係なく感情表現の模倣が最適であった.一方,ユーザ自身や対話エージェントに向けて怒りを感じた場合は,感情表現の模倣ではなく,悲しみの感情表現が最適であった.これらの結果から,感情の種類と原因を考慮して応答する対話エージェントを開発することで,よりユーザのポジティブ気分を誘起し得ることが分かった.

雑誌名
インタラクション2019論文集
© 情報処理学会 2019
論文ID
3B-54
ページ
923-926
発行日
2019年2月27日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
住所 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台一丁目5番地 化学会館4F
TEL. 東京 (03) 3518-8374 (代表)
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