情報処理学会 インタラクション2020

本研究では，社会生活において重要な要素である他者との触れ合い（ソーシャルタッチ）に着目し，それを理解するロボットを実現するための柔らかい身体をもつロボット用センサースーツを開発した．ソーシャルタッチは相手から触れられた際の状態だけでなく，触れる相手がの状態によっても影響を受ける．そのため，圧力センサだけでなく，近接センサとしても機能し，近接距離を計測することができる布型の静電容量方式センサを新たに開発し，それを80個備えたスーツである．これにより，他のセンサ情報を用いることなく，相手との触れ合いの計測だけでなく，相手との近接距離の計測も可能となり，例えば，初めての相手がロボットに触れようとすれば避け，親しい相手では接触を許して抱擁といった触れ合いを行うといった接触前から接触後にかけてのインタラクションが実現できる．また，布型であるため，人間が着用することも可能であり，新たなインタラクションメディアの開発にも利用が期待される．