情報処理学会 インタラクション2020

文献情報

タイトル
下方視野を拡大したHMDの開発と評価
著者
  • 中野 萌士(奈良先端大)
  • 磯山 直也(奈良先端大)
  • 酒田 信親(奈良先端大)
  • 清川 清(奈良先端大)
アブストラクト
説明画像

一般的な既存のVR (Virtual Reality)用HMD (Head Mounted Display) は高い没入感や臨場感をユーザに与えるが,垂直視野角は人間の元来のものと比べると狭い.特に水平から下方向の視野角は,HMDを装着しての卓上での作業や歩行などの日常的な動作に重要であるが,人間本来の65〜70度程度の垂直視野角に対して35〜45度程度しか提示できていない.そこで我々は,既存のHMD内部の鉛直下方向に対し下方視野用のLCDを新しく追加し,下方視野を拡大したHMDの開発と評価を行った.作成したHMDには臨場感の向上を目的としたVRモードと,外部に取り付けたカメラの映像をLCDに投影することで卓上作業の作業効率化と首運動の負担軽減を目的としたVST(Video See-through)モードを実装した.結果,下方視野を拡大したHMDは垂直視野角を約70度拡大させ,臨場感向上と首の負担軽減に成功した.一方,情報量の増加による集中の阻害や映像提示の不完全さによる作業時間増加も確認され,さらなる研究が必要であることが示唆された.

雑誌名
インタラクション2020論文集
© 情報処理学会 2020
論文ID
INT20012
ページ
106-114
発行日
2020年3月2日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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