情報処理学会 インタラクション2016

タッチパネル端末において，ユーザは画面をロングタップすることにより，文字や画像などのオブジェクト選択を行う．しかし，ロングタップは認識に最短500ミリ秒の時間がかかる．そこで我々は，オブジェクト選択のためのマルチタッチ操作としてLeaving Selectを開発した．本手法を用いるユーザは，複数の指でタッチした後，指を1本残してその他の指を離すことによりオブジェクトを選択する．残した指をスライドすることにより複数オブジェクト選択も可能である．本手法はロングタップのように選択開始までの待ち時間が発生しないため，素早くオブジェクト選択を行うことが可能である．本手法の有用性を示すため，画像の複数選択速度を検証する実験を行った．その結果，本手法はロングタップよりも有意に素早く選択開始できることが分かった．