インタラクション2006
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  発表資料に関する確認とお願い


近年のデジカメ等の画像記録技術の発達,及びWWWやblog等の情報配信媒体の一般化に伴い,学会での発表内容の報道やインターネット上での公表においてトラブルが少なからず発生しているようです.具体的には

(A) 報道関係者が取材(プレス参加)のために来場し撮影したスライド・ポスター・デモシステム等の写真や映像を,記事と共にニュース媒体(WWWニュース,新聞,雑誌,TV等)に発表者に無断で掲載する.

(B) (プレス参加者以外の)一般参加者が他の参加者の発表しているスライド・ポスター・デモシステム等を撮影し,主にインターネット上(blogやWWWページ等)で紹介し,発表者に無断で撮影物を掲載する.

の2つに大別される事象について,主に発表者から不快感が示されているということです.上記に関して実行委員会として下記のようにお願いします.

発表者の皆様へ

研究,報道など,その引用の目的が社会的に見て正当と考えられることなど一定の条件を満たせば,著作権者の同意や承諾がない場合でも"引用" という形での使用が認められています(著作権法32条).「プレス参加」と朱書きした参加賞を着けた人は本シンポジウムにて正式に取材を受け入れた報道関係者であり,引用にあたって改めて著作権者の同意・承諾は不要と考えております.取材には出来る限りの範囲で対応して頂きたくお願いします.

一般参加の皆様へ

不特定多数に公開された著作物(論文だけでなく発表スライドなどを含む)を無断で使用することは著作権法に抵触します.自己の研究論文やWWWなどで他人の著作物に言及する場合には,著作者の許諾を得るか,もしくは著作権法32条に定める一般的に著作権侵害とならないための"引用"要件,公正な慣行の範囲に従って下さい.例えば「研究論文」において(目的が社会的に見て正当),引用の要件を(後述)を満たす著作物の使用であれば,著作者の許諾を要しません.しかしながら,報道,批評,研究その他の引用の目的上正当な範囲を超える著作物の使用(WWW上の掲示を含む)は,著作者の許諾を得て下さい.


以下,その理由について述べます.

インタラクション2006で発表された素材のうち,論文本体の著作権は情報処理学会に,それ以外のものの著作権は著作者(一般には発表者)に帰属します.すなわち,口頭発表で用いられた一連のスライド,ポスター等の著作権は発表者に帰属しています.そして他人の著作物を利用する際には,著作権法の規定に従わなければなりません.

著作権法第32条第1項には,他人の公表された著作物を利用する際の基準が述べられています.

【著作権法第32条】公表された著作物は,引用して利用することができる.この場合において,その引用は,公正な慣行に合致するものであり,かつ,報道,批評,研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない.

この条項で述べられている著作物の利用の条件は,

  1. 引用であること
  2. 公正な慣行に合致する物であること
  3. 引用の目的上正当な範囲であること

となっており,引用であれば使用にあたって著作者の許諾を要しません.

厳密な解釈は下記参考資料等を当たって頂きたいのですが,引用の要件としては概ね,

  • 自分の著作物中に他人の著作物の*一部*を採録すること,
  • 引用であることが明らかとなるよう表現する,すなわち自分の著作が主で引用部分が従でかつ,引用であることを明示(「」を付ける,出所を明示する等)すること,
  • 報道,批評,研究その他の*正当な*目的であること

となっています.

これらのことから実行委員会としては,プレス取材で入場した報道関係者の上記(A)の行為は,目的が報道であり,かつ引用の要件を満たす限りは著作者の許諾は不要と,逆に一般参加者の上記(B)の行為については一般的に正当な引用の範囲を超えており,著作者の許諾が必要と判断します.

上記基準に基づいて対応いただけますようお願い致します.

参考資料:

[1] 著作権法((社)著作権情報センター)
http://www.cric.or.jp/db/article/a1.html
[2] ネットJ「くらしの法律相談」
http://www.houtal.com/journal/netj/