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インタラクティブ発表1

AcrySense: インタラクティブなアクリル彫刻の提案 (134)
(1EXB-01) AcrySense: インタラクティブなアクリル彫刻の提案

近年,レーザー加工機などの普及に伴い,アクリル板の表面に彫刻をした作品作り(アクリル彫刻)が身近になりつつある.こうしたアクリル彫刻は液晶バックライトのように,側面から光を投射することで彫刻模様が浮かび上がり,美しく魅せることができる.我々は,こうした照明付きアクリル彫刻をシンプル/安価な仕組みでインタラクティブな入力装置として扱えるシステム「AcrySense」を提案する.AcrySenseは,LEDとフォトダイオードが配置された基板をアクリルの両側面に配置し,LEDを光源としつつ,アクリル板内で反射したフォトダイオードへの入射光を検出する.この際,彫刻部に指を触れることで,アクリル板内を通過するLEDの光量が変化し,大まかな接触位置を推定する.本論文では,AcrySenseのコンセプト,実装について述べる.

三久保 莉也(お茶の水女子大),塚田 浩二(JST/お茶の水女子大),椎尾 一郎(お茶の水女子大)
Phantom Glider ~没入型ビジュアルシミュレータのための触覚による擬似空間移動インタフェース~ (176)
(1EXB-02) Phantom Glider ~没入型ビジュアルシミュレータのための触覚による擬似空間移動インタフェース~

本研究では,VRにおける没入感を増強しうる要因として「移動する感覚」に着目し,触知覚上の錯覚であるファントムセンセーション(Phantom Sensation:以下PhS)を用いることで,足底部に疑似的な移動感覚を生起させるボード型インタフェースPhantom Gliderを試作した.Phantom Gliderにより提示する触覚刺激の他,視覚・聴覚と連動させることによる相乗効果に風の提示も加え,映像コンテンツが提供する他感覚と連携させることで,VR体験におけるVR空間内を移動する速度感の増強を目指す.

岸田 賢紀,大島 登志一(立命館大)

ClayMore: 粘土を用いた造形の支援 (046)
(1EXB-03) ClayMore: 粘土を用いた造形の支援

粘土は任意の形状を形成できる自由度の高い素材であり,幼児の創造力の向上のため知育玩具として用いられている.しかし,造形技術の訓練はあまりなされていないために粘土造形はさほど上達せず,多くの人々は成長するに従い作りたいものと粘土で作れるもののギャップに悩み粘土離れを引き起こしている.本論文では,粘土による造形行為を支援するシステム“ClayMore”を提案する.ClayMoreは粘土の形状を深度センサによりリアルタイムで認識し,その形状に応じた画像をプロジェクタにより粘土表面に投影することで,粘土を入出力装置とするインタラクションを可能にする.さらにClayMoreを用いた応用例のひとつとして,目標形状と粘土の形状との差分を粘土表面に表示して粘土による模倣行為を支援するアプリケーションについても述べる.

若園 祐作(東大),暦本 純一(東大/ソニーCSL)
スマートフォンを用いたパブリックディスプレイ上の動的表示コンテンツの操作 (202)
(1EXB-04) スマートフォンを用いたパブリックディスプレイ上の動的表示コンテンツの操作

本研究では,パブリックディスプレイ上の動的表示コンテンツを,スマートフォンを用いて連携的に操作するインタフェースを提案する.我々がこれまでに提案した画像群動的表示法を公共の場で利用することを想定し,スマートフォンのディスプレイ上の指の移動量を用いてパブリックディスプレイ上のカーソルを操作する.また,パブリックディスプレイ上の選択情報の詳細を手元のスマートフォンで閲覧することや,スマートフォンの加速度センサを用いてジェスチャ入力を行うインタフェースなどを提案する.さらに,ユーザのインタラクションと連携してスマートフォン上のインタフェースを動的に変更する方法などを議論する.

佐藤 拓弥,高嶋 和毅(東北大),山口 徳郎(沖電気),北村 喜文(東北大)
AR技術を導入した手書きカードベースの発想支援システム (140)
(1EXB-05) AR技術を導入した手書きカードベースの発想支援システム

近年,電子化された発想支援手法やグループウェアが多く開発されている.その一つとして我々は実世界で行うデジタルペンを用いたグループKJ法システムを開発して,電子化された発想支援手法を実現した.そして実世界での作業がさらに行い易くなるように作業中のリアルタイムラベル編集機能を実装した.しかし,編集効果はPCにしか反映されず実世界へのフィードバックは支援されていないといった問題があった.そこで我々はこの論文で,AR技術を導入して実世界への編集効果を提供するシステムを提案する.この提案によって発想支援活動の参加者はラベルの表現と認識を広げることが期待できる.

丹生 隆寛,三浦 元喜(九工大)

タッチパネルに適した数式入力方法の提案と数学教材作成ツールの開発 (136)
(1EXB-06) タッチパネルに適した数式入力方法の提案と数学教材作成ツールの開発

2次元的な配置で表現される数式を入力するために,これまで様々な方法が考えられてきた.主なものとしては,マークアップ言語を利用する方法,マウスで入力する方法,手書き認識による方法がある.これらにはそれぞれの利点があるが,近年普及が目覚ましいタッチパネル付きディジタルデバイスでの入力には十分に適応していない.本稿では,タッチパネルに適した数式入力方法を提案するとともに,その応用例として中学校,高等学校用教材の数学教材作成ツールの開発について述べる.

前田 雅之(東京学芸大/大阪府立泉北高),加藤 直樹(東京学芸大)

RoutinePost: 毎日の定型行為を活用したコミュニケーション手法の提案 (131)
(1EXB-07) RoutinePost: 毎日の定型行為を活用したコミュニケーション手法の提案 「発表辞退」

本研究では,遠隔地で生活する親しい二者のコミュニケーションを支援するために,日常的に行う定型行為(目覚まし時計をセットする,帰宅する,洗面所で身支度を整える等)に着目した.このような行為は毎日定期的に,一定時間行うものであるため,一方の行為中に映像/音声を記録し,もう一方の行為中に再生することで,日々の隙間時間を活かした手軽なコミュニケーションを実現できると考える.本論文では,人々が日々行う行為のうち, 「目覚まし時計をセットする」「帰宅する」という2つの行為に着目した事例を示す.

藤田 真央(お茶の水女子大),塚田 浩二(JST),椎尾 一郎(お茶の水女子大)

Idea In: プロジェクト管理を効率化するWebアプリケーション 提案と制作 (138)
(1EXB-08) Idea In: プロジェクト管理を効率化するWebアプリケーション 提案と制作

本研究は,専門知識や難しい操作を必要とせずに,手軽にプロジェクト管理の機能を利用できる,ユーザーフレンドリーなプロジェクト管理の提案を行うとともに,プロジェクトにおける分担作業をより効率的に行うことができるプロジェクト管理ソフトウェアの制作と,そのシステムの構築を目指すものである.



浜田 真成,安藤 大地,笠原 信一(首都大)
PEVI: Scapeplotを利用したクラシック音楽の演奏表情検索・分析インタフェース (155)
(1EXB-09) PEVI: Scapeplotを利用したクラシック音楽の演奏表情検索・分析インタフェース

本稿では,Scapeplotを利用したクラシック音楽の演奏表情検索・分析システムを提案する.Scapeplotは,複数の階層における演奏間の類似関係を一度に可視化する方法として提案された.しかし,最も類似度の高い演奏しか可視化できないことや,どの演奏表情特徴が影響して高い類似度を示しているかまでは可視化できないという問題点がある.ユーザがScapeplot上の点をポイントすることでこれらの不可視な情報を別領域に可視化すること,また,演奏表情特徴の重みを変更できることを可能にし,Scapeplotの問題点を解決することで,Scapeplotをインタフェースとして利用した演奏表情を動的に検索・分析できるシステムを実現した.

三木 翔太,馬場 隆,片寄 晴弘(関西学院大)
コンピュータによる物語のシナリオ自動生成 (146)
(1EXB-10) コンピュータによる物語のシナリオ自動生成

本研究では,同一作家の複数の物語を用いた物語の知識をデータベースに蓄積し,それをもとに,時間,場所,登場人物等の物語の初期設定を入力することで,物語のシナリオを自動生成するシステムを開発する.誰でも簡単にオリジナルな物語を作成できることを目指している.物語の初期設定や途中でのシナリオ変更をユーザが自由に操作することが出来,物語はアニメーションによるビジュアライゼイションにより,わかりやすく表示される.

原 和樹,角 薫(はこだて未来大)

LoopTouch: 画面ループを用いたモバイル端末片手操作手法 (029)
(1EXB-11) LoopTouch: 画面ループを用いたモバイル端末片手操作手法

スマートフォンに代表されるタッチパネルを搭載したモバイル端末の画面操作領域が拡大している.このようなモバイル端末は画面情報量が多いが,片手操作が困難になるという問題がある.この原因は,現在のモバイル端末のタッチインタフェースが画面上のオブジェクトに直接触れて操作するという指直接操作体系を取っている一方,片手操作時には親指可動領域外にGUIが配置されてしまうことにあると我々は考える.そこで我々は画面のループを用いる事によって,指直接操作の操作体系を残したまま親指可動領域外のGUIを操作可能にするインタラクションLoopTouchを提案,実装した.また,LoopTouchを適用した場合のGUI操作についての評価実験を行った.

土佐 伸一郎,田中 二郎(筑波大)
陰極刺激の提示と停止による塩味味覚感度制御 (047)
(1EXB-12) 陰極刺激の提示と停止による塩味味覚感度制御

舌へ陰極刺激提示を行うと,刺激提示中は塩味が阻害されるが,刺激を停止した後には「塩味をさらに強く感じさせる」効果があることがHettingerらの研究で明らかになっている.本稿ではこの知見を応用し,減塩を支援するシステムを構築した.提案システムは食器(ストローまたはフォーク)と一体化した陰極刺激付加装置をもち,さらに飲食行動検知機構を備えている.飲食行動を検知すると,食品を媒介としてユーザの舌に陰極刺激を付加し,その後停止する.ユーザは,刺激停止後に塩味が強まったような感覚を得られる.このため,塩味の物足りない食事であっても,新たに塩分を付加せずにその感覚を増強することができ,過剰な塩分摂取を防ぐことができると考えられる.

中村 裕美(明治大/JSPS),宮下 芳明(明治大/JST)
携帯機器上で鶴を折るためのマルチタッチ操作の提案 (137)
(1EXB-13) 携帯機器上で鶴を折るためのマルチタッチ操作の提案

本稿では,携帯機器上でマルチタッチ操作を用いて折り鶴を折るために考慮しなければならないインタラクション上の問題点とそれに対する解決案を述べる.われわれは現実世界での折り紙の折り方に近い操作で携帯機器上の折り紙を自由に折ることのできるインタフェースの実現を目的として,携帯機器上でマルチタッチ操作を用いた折り紙体験システムを開発している.従来のシステムでは,基本的な折り方である谷折りと山折りのみが折れ,折り鶴を折る為に必要な花弁折りや中割り折りなどを折ることができない.携帯機器上の折り紙を現実世界での折り紙の操作に近い操作で自由に折ることのできるインタフェースを構築することを目的とし,本稿では,折り鶴を折ることのできるインタラクション操作を提案する.

田中 建伍,山下 笑香(岡山大),田邊 浩亨,川上 武志(IPsys),笹倉 万里子(岡山大)
Primer Streamer: ユーザの関心事へと引き込みを行なう常時映像閲覧システム (030)
(1EXB-14) Primer Streamer: ユーザの関心事へと引き込みを行なう常時映像閲覧システム

近年,ウェアラブルコンピューティングへの注目とともに,常時情報を閲覧できる環境が現実的になってきており,ユーザの行動や状況を認識し,状況に合わせて適切に情報を提示する手法が数多く提案されている.しかし,常時情報閲覧環境ではユーザは常に情報が必要なわけではないので,情報提示に空き時間が生じ,この時間に直接的な情報提示を目的としないものを提示できる.そこで本研究では,先行する事柄が後の事柄に影響を与えるというプライミング効果を利用し,空き時間にユーザの関心事に関連する視覚情報を閲覧させることで無意識に特定の情報に気付きを与えるシステムを提案する.本研究ではまず,視覚情報を与えることによって関連する情報の気付きに影響があることを予備調査により確認した.また,ユーザが関心事に関する視覚情報が得られるよう,画像や動画を提示するシステムPrimer Streamerを実装した.評価実験では実装したシステム上にサッカー等の画像を提示し,実世界上に置いてあるサッカーボール等のオブジェクトに気付くかを調べ,提案手法がユーザに対し影響を与えることを確認した.

磯山 直也(神戸大),寺田 努(神戸大/JST),塚本 昌彦(神戸大)
ジャイロセンサーと加速度センサーを使用した自転車運転者の行動意図の明確化 (147)
(1EXB-15) ジャイロセンサーと加速度センサーを使用した自転車運転者の行動意図の明確化

近年、エコや健康意識等の高まりにより、通勤通学において、自転車の利用者が増加傾向にある。しかし自転車専用道路の整備が十分ではなく、サイクリングをするのに不自由な環境と言える。自転車にはバックミラーやサイドミラーが装着されておらず、後方から接近する車両に気付き辛いため、路上駐車などの障害物を避ける際の自転車の運転者の負担は大きく、また事故などの危険性を含んでいる。この様な課題を解決する為に、自転車の運転者が追い抜き等の動作する際、後方から車両が接近している事を自転車の運転手に知らせる事ができるシステムが必要だと考えられる。本稿ではこのシステムの基礎研究として加速度センサーとジャイロセンサーを使用し、自動車運転者の行動意図を明確にする為の手法を検討した。

後藤 秀信,三浦 元喜(九工大)
108107: 超好意的解釈コンパイラによりかかったプログラマのための激好意的解釈コンパイラ (151)
(1EXB-16) 108107: 超好意的解釈コンパイラによりかかったプログラマのための激好意的解釈コンパイラ

これまで著者らは,心が折れやすいプログラミング初心者のために,多少のミスでも大目に見て好意的に解釈するコンパイラを開発してきた.しかし,この好意的解釈を逆手にとって簡略なコードを書き,高速にプロトタイピングを行う中級プログラマが現れた.彼らが書くのは,コンピュータに対して細かく何をどうしろとは言わない,いい加減なコードである.行末にセミコロンを打つこともなく,開いた括弧を閉じることもなく,命令語も最初の数文字しか書かない.それどころかそもそも命令を書かなかったりする.本稿では,彼らがさらにスピーディーにコーディングを行えるよう好意的解釈コンパイラを改良し,たとえばファイル名が記されていたらその拡張子によって適切な命令を推測するようにした.また,1行入力するたびにコンパイル・実行を行ってサムネイルを表示するヒストリウィンドウを用意し,システムによって行われた好意的解釈全てを,容易に修正できるようにした.さらに,複数の解釈が考えられる場合でも,その選択を保留にしたままコーディングを続けられる内包型タブインタフェースを導入した.これにより,一貫性がなくずぼらで優柔不断であっても,スピーディーに実装を行える新しいプログラミングスタイルを提案できると考えている.

中橋 雅弘,加藤 邦拓(明治大),宮下 芳明(明治大/JST)
Zuttomo: 友人と一緒にいた時間を記録するライフログシステム (109)
(1EXB-17) Zuttomo: 友人と一緒にいた時間を記録するライフログシステム

本稿では,ユーザ同士の「一緒にいた時間」を記録することで,現実世界におけるユーザ間の繋がりを記録するとともにコミュニケーションを支援するライフログシステム「Zuttomo」について述べる.ユーザーはZuttomoがインストールされたスマートフォンを持ち歩くだけで,Zuttomoを利用している友達と一緒にいた時間を記録することができる.ユーザはこの記録された時間を見ることにより,いつも一緒にいる仲の良い友達や最近遊んでいない友達を見つけ出すことができる.これに加え我々は,近くに友達がいることを通知する機能,相手に言葉ではなく軽いシグナルを送る「ping機能」と言った,円滑なコミュニケーションを支援する機能を実装した.ユーザはこれらの機能を使うことによって,頻繁にコミュニケーションを取り,友達同士の連帯感をより高めることができる.本稿では,Zuttomoのコンセプト及び機能を紹介し,実装とシステム構成について説明する.なお,システム名の「Zuttomo」は,近年,特に中高生の間で使われる言葉「ズッ友」に由来するもので,「ずっと友達」を意味し,友達同士の連帯感の強さを表す.

高井 啓,深津 佳智,鈴木 和幸,閑野 伊織(筑波大),神場 知成(NECビッグローブ/筑波大),田中 二郎(筑波大)
創造的鑑賞体験を実現するための絵画作品の3次元CG化 ~歌川国芳の浮世絵を題材に~ (163)
(1EXB-18) 創造的鑑賞体験を実現するための絵画作品の3次元CG化 ~歌川国芳の浮世絵を題材に~

本論文では,2次元の絵画作品をコンピュータグラフィクスの世界で3次元化することで行える様々な手法を提案する.ここで提案する手法とは,2次元の作品を3次元化することにより普段とは別な視点からの観覧を可能にする.さらに作中の登場人物に乗り移った鑑賞を行うことが出来るというものや,作品が出来上がる前後の物語を創造・可視化し,新しい鑑賞方法を提案することで多くの楽しみ方が出来ると考える.


名生 圭佑,松村 耕平,角 康之(はこだて未来大)
競争型トランプゲームに偶然性と戦略性を付与するための攪乱のデザイン (078)
(1EXB-19) 競争型トランプゲームに偶然性と戦略性を付与するための攪乱のデザイン

さまざまなゲームにおいて,勝負の駆け引きや緊張感,楽しさを生み出すために,偶然性や戦略性のバランスが重要である.本研究では,トランプゲームのエンタテインメント性を向上させる一つの方向性として,ゲームの中で偶然性や戦略性が支配する側面を高める手法を開発する.我々は,競争型トランプゲームの典型例として神経衰弱を取り上げる.神経衰弱とは,裏向けに並べたカードから,記憶力を頼りに同じ数字のカードを見つけ出すゲームである.トランプの位置と数字に関する記憶を頼りに,同じ数字のペアを見つけ出すという単純さゆえ,プレイヤー間の記憶力が勝敗に強く影響し,勝敗に偶然性や戦略性が介入する余地がほとんどない.我々は,過去の研究で,特定のプレイヤーにのみ,トランプの数字やめくられたトランプの位置に関する手掛かりを,拡張現実感技術によって表示するカードゲームシステムを作成した.記憶力の差を補うことで相対的に偶然性を高めることはできた.本研究では次の段階として,戦略性と偶然性を絶対的に高めることでより楽しさを向上させる.そこで,能力の差に関わらずゲーム展開を拮抗させるための,ゲームを撹乱する機能として,「プレイヤーの記憶の無効化」機能と,プレイヤーの優勢・劣勢の「形勢逆転」機能を提案する.

明神 聖子,島田 伸敬(立命館大)
DRAW SOUND: Create a Playground with Inkling for Kids (198)
(1EXB-20) DRAW SOUND: Create a Playground with Inkling for Kids

Draw Sound is an application model that is consisted of automatic control instrument, drawing system and Inkling. In the scenario, Inkling is an input device and electronic instrument is the output to create the sound. Drawing system is a server that is responsible to send and receive signals from input and output. User can create their sound-control interface by drawing. In addition, kids can play the instrument with their drawing.

吳 冠穎(NCTU),金 啟平(MUTIENLIAO)
移動データに基づいた地図の時空間再構成 (156)
(1EXB-21) 移動データに基づいた地図の時空間再構成

本稿では,人々が生活している街の中で,徒歩や車などの異なった手段で移動した軌跡から,行動パターンをモデリングし,その人ならではの行動マップを生成するシステムを提案する.ここで提案する行動マップとは,滞在時間に応じたランドマークとそれらの間の移動時間に応じたリンクを浮かび上がらせた地図である.具体的には,GPSによる移動データを利用することで,ユーザ自身の生活感覚やユーザにとっての新しい気付きを可視化できる時間地図を生成するシステムを試作した.時間は人々の生活リズムに深く関わるため,この地図は人々の生活パターンに依存するものであり,人々の認識に近いものになると考えている.

横井 逸人,松村 耕平,角 康之(はこだて未来大)
協同学習を促進するシステムの提案 -ユーザエクスペリエンスのためのストーリーテリング- (135)
(1EXB-22) 協同学習を促進するシステムの提案 -ユーザエクスペリエンスのためのストーリーテリング-

1980年代後半以降,学習の場において学習理論に大きな変化が起きている.教授者の知識・技能の伝達を目的とした「客観主義の理論」から学習者が他者との相互作用などの実体験を通し協同学習することを目的とした「構成主義の理論」へ変化してきている.こうした学習理論の変化に伴い,本研究では,自主ゼミにおいて協同学習を促進するシステムを提案している.研究の活動記録をストーリーテリングすることに加え,研究の目標として要求事項をつくりあげることによって協同学習が起こりやすいとわかった.そこから,要求事項をもとに活動記録をストーリーとして構築,一望できるシステム「Story+」を提案した.

東出 光嗣,木村 健一(はこだて未来大)
温冷出力コントローラによる感情表出ゲームシステムの構築 (113)
(1EXB-23) 温冷出力コントローラによる感情表出ゲームシステムの構築

著者らはこれまで温冷呈示インタラクションの応用として、ビデオゲームシステムの検討、開発を行ってきた。本研究では、温冷切り替え時間の大幅な削減等を目的とし、ソレノイドアクチュエータを内蔵したゲームコントローラを制作した。また、新たなアプリケーションとして、温度と感情に関する評価実験結果をもとに、温冷呈示特性を生かしたキャラクタの感情を温度で体感する感情体感型シミュレーションゲームを制作した。


庄司 りか,馬場 哲晃,串山 久美子(首都大)

オブジェクト指向プログラミングの概念理解を支援するAnchorGardenシステムの評価 (087)
(1EXB-24) オブジェクト指向プログラミングの概念理解を支援するAnchorGardenシステムの評価

プログラミング初学者がオブジェクト指向プログラミング言語(OOPL)の特性である「型・変数・オブジェクトとデータ参照」の概念を正しく理解するのは一般に困難さを伴う.我々は視覚モデルへの直感的な操作から対応するソースコードを生成して提示する手法を提案し,インタラクティブシステムAnchorGardenを構築した.大学2年生のC言語学習者を対象とした評価実験を行ったところ,システムを実際に操作したとき,操作しない場合に比べてソースコード実行後のオブジェクトの状況を正確に把握できるようになることを確認した.

三浦 元喜(九工大),杉原 太郎(北陸先端大)
笑いや拍手を誘発するプレゼンテーションシステム (129)
(1EXB-25) 笑いや拍手を誘発するプレゼンテーションシステム

本稿では笑いの誘発性に着目し,発表中に意図的にラフトラックを再生して聴衆の笑いを誘発し,プレゼンテーションを盛り上げるシステムを提案する.提案システムは聴衆が持参したPCに常駐し,発表者のPCと無線通信を行う.特定のスライドが出現したとき,あるいは発表者がエンターキーを押したときに,聴衆のPCから様々な笑い声が出力され,プレゼンテーション会場全体から発せられるラフトラックとして聴衆の笑いを誘発する.また,拍手の音を出力することで拍手を誘発する機能も備えている.笑いや拍手によって場を盛り上げることは,たとえそれがシステムによって誘発されたものであったとしても,発表者の気分向上やモチベーション維持につながり,一方で聴衆がプレゼンテーションを理解する上でも,その内容の区切りや面白さを把握するための助けとなる.

嶋本 諒太(明治大),宮下 芳明(明治大/JST)
Webブラウザによるリアルタイムな協調作業のためのWebSocketを用いたアドホックマルチキャスト環境 (165)
(1EXB-26) Webブラウザによるリアルタイムな協調作業のためのWebSocketを用いたアドホックマルチキャスト環境

近年,ブラウザのリッチクライアント化が進み,サーバとブラウザ間でリアルタイムな双方向通信が行えるようになっている.しかし,サーバとブラウザの間にあるネットワーク経路によってネットワーク遅延が大きく左右されるという問題がある.本稿では,持ち寄った端末同士で行う協調作業に着目し,WebSocketによるアドホックマルチキャスト環境を提案する.提案環境は,無線LAN等で繋がった端末のブラウザ間におけるアドホックネットワークの構築と,当該ブラウザ間におけるJavaScriptの関数呼び出しの同期を可能にするものである.

河下 夏輝,吉田 恭太,高田 秀志(立命館大)
マルチモーダルセンサ情報活用のための検索クエリと可視化フレームワーク (193)
(1EXB-27) マルチモーダルセンサ情報活用のための検索クエリと可視化フレームワーク

多様なセンサデータをネットワーク上で手軽に収集,可視化するための開発支援環境を構築した.時間情報付きというセンサデータの特性に合わせたデータベース構造と検索クエリ言語を設計し,複数の時系列データからのデータ抽出,分析を可能とした.本フレームワークを適用して実験的なサービスを構築し,試験運用した結果,センサを活用したサービスの開発,設計検証に有効であることを示した.


出口 祐輝,石川 翔吾,竹林 洋一(静岡大)
スモールアクションコントローラ (105)
(1EXB-28) スモールアクションコントローラ

デスクトップ環境下でのコンピュータのポインティング操作をできる限り小さな手の動きにて行う,身体装着型コントローラを提案する.加速度3軸,角速度3軸からなる小型の運動センサーを利用者の利き手の甲や手首に取り付けることで操作運動量を減少させると同時に、コントローラへの操作意図を推定することで操作性を高める信号処理手法についての検討を行った結果,直感的に操作できるポインティングデバイスとしての基本的な動作を確認した.

木村 智之,岩瀬 大祐,長岡 大地,森山 智洋,引地 正太郎,高柳 友哉,飯島 照之,中村 雅男,野村 亮介,堅田 金太郎,太田 伸男,市川 晃,木田 純平,出嶌 創士,細井 祐太郎,松下 宗一郎(東京工科大)
平面感情分布モデルを用いた直観的な顔文字選択支援システム (200)
(1EXB-29) 平面感情分布モデルを用いた直観的な顔文字選択支援システム

近年,コミュニケーションにはメールやSNSなどのテキストメディアが利用されている.しかし,テキストメディアでは表情や仕草という非言語情報が大きく欠けてしまっている.非言語情報は,コミュニケーションにおいて非常に大きな役割を持つ.その欠落を補う言葉もないため,テキストコミュニケーションではその言葉の意図が伝わりににくい.これを解決するために顔文字が作られ,より自然なコミュニケーションを行うことができようになった.しかし,現在の顔文字選択には,自己感情の理解,顔文字の検索,膨大な顔文字から一つを選択するための比較・検討と大きな負荷がユーザにかかっている.このため,顔文字の発信側の利用において,十分に自然なコミュニケーションを実現できているとはいえない.本研究では,この問題を解決するため,Plutchikの感情の輪に基づき平面感情分布図を作成し,その図を用いた直観的な顔文字選択支援システムを構築する.

伊藤 永悟,藤本 貴之(東洋大)
Jerk最小モデルに基づく指差し動作予測の印象評価 (144)
(1EXB-30) Jerk最小モデルに基づく指差し動作予測の印象評価

我々は,人とロボットとの自然なインタラクションを目的とし,Jerk最小モデルに基づく人の指さし行動予測手法を提案している.本稿では,この手法を実際にロボット上に実装し,16人の被験者を対象に印象評価を行った結果について述べる.予測の間違いなどから,「正確さ」については提案手法は追従手法に対しては評価が悪化するものの,「自分の行動を予測されている」という感覚や,自然さやなめらかさでは,提案手法は追従手法に対して良い印象を与えることが分かった.また,従来手法に対しても,提案手法は人や生物としてよりよい好印象を与える手法であることが示唆された.

鈴木 優太,大村 廉(豊橋技科大)

SymmetricCursors: 対称的に動くダミーカーソルによる入力操作の隠蔽 (188)
(1EXB-31) SymmetricCursors: 対称的に動くダミーカーソルによる入力操作の隠蔽

ATMやパソコン上でパスワード肩越しから盗み見されるショルダーサーフィンが課題になっており、さまざまな研究が行われている。本研究ではユーザが特別な記憶なしに、マウスとディスプレイといった普及した環境でショルダーサーフィンを防止する手法SymmetricCursorsを提案する。SymmetricCursorsは、ユーザが操作するマウスカーソルに対して、画面を中心に対照的ダミーカーソルを複数提示する。操作者はどれが自分で操作しているカーソルはわかる一方、観察者はどれが入力に利用しているカーソルであるかがわからず、入力操作を隠蔽することができる。

渡邊 恵太,門城 拓(JST),樋口 文人,稲見 昌彦(慶大/JST),五十嵐 健夫(東大/JST)


VisualHaptics 2.0: 感触の解像度向上とタッチパネルへの応用 (164)
(1EXB-32) VisualHaptics 2.0: 感触の解像度向上とタッチパネルへの応用

我々はカーソルの遅延や変形を用いて対象に触れているかのような感触を提示するVisualHapticsを開発してきた。本研究では感触の解像度を高める手法VisualHaptics HDとタッチパネル環境で感触提示を実現するVisualHaptics Touchから成るVisualHaptics 2.0提案する。 VisualHapticsでは対象の状態を1点(1ピクセル)にて認識し、それに基づきカーソルの形状が変形する。本研究ではカーソルが対象を面で捉えるようにすることで、対象の状態をカーソルからユーザに伝達する分解能を高める。また、近年のユーザインタフェースはタッチパネル化が進んでおり、画面を指で直接指示するため、カーソルは画面上に表示されない。この際にVisualHapticsの手法は一見使えないと思われがちだが、VisualHaptics 2.0では指と連動して動く画面側をカーソルとして捉え画面全体の動きをずらしたり遅延させたりすることによって、タッチパネル環境においても感触の提示を実現した。

小島 諒介,渡邊 恵太(JST),稲見 昌彦(慶大/JST),五十嵐 健夫(東大/JST)
タッチインタフェースによるインタラクティブな3Dアニメーションシステムの提案 (187)
(1EXB-33) タッチインタフェースによるインタラクティブな3Dアニメーションシステムの提案

タッチインタフェースを搭載したタブレット型のコンピュータが一般的なものとなってきた.これらの端末において3Dグラフィックスは主にゲームなどのコンテンツに用いられており,ユーザ側が用意した3Dデータを利用するコンテンツはまだ少ない.本システムでは,単に3Dデータを読み込んで表示させるだけでなく,複数の連続した3Dデータの集合から,互いの関係性が定義された状態遷移モデルを持つアニメーションを作成し,タッチインタフェースの直感的な操作性をジェスチャ入力という形で活用した新しい3Dアニメーションシステムを提案する.また,専門的な知識や技術のないユーザが上記システムを簡単に作成するために,既存のデバイスを用いたコンテンツ作成システムを合わせて提案する.

古川 真行,福元 伸也,赤木 康宏,川崎 洋(鹿児島大),河合 由起子(京産大)
スマートフォンの授業利用を実現させつつ“授業目的外使用”を制限させる授業補助環境の構築 (172)
(1EXB-34) スマートフォンの授業利用を実現させつつ“授業目的外使用”を制限させる授業補助環境の構築

この数年間で,携帯電話の普及率は急激に増加してきた.2012年では,携帯電話の人口普及率が100%を超えた.その背景には,スマートフォン利用者の急激な増加がある.スマートフォンの普及率は2011年には9.5%だったが,2012年には18%と増加している.このことから,スマートフォン利用者は衰えず増加することが予想される.また,現在の携帯電話・スマートフォンには,学生の利用者が多い.特に学生は連絡をとる手段として携帯電話・スマートフォンを必ず所持している.そこで私はこれから増加していくと予想されるスマートフォンの授業利用を考えた.現在,携帯電話・スマートフォンで意見・質疑を集めると,多くの意見・質疑が集まる実例がある.このように,スマートフォンを用いた授業は有効的であると考えられる.しかし,授業とは関係ない目的外利用を個別に確認することは難しい.加えて,授業中の目的外利用を放置してしまう危険性がある.そこで,本研究では,スマートフォンを授業で利用可能としながら“目的外利用”を制限する授業補助環境を提案する.

村田 和也,藤本 貴之(東洋大)
コマンドリズムを用いたタップ入力による携帯端末操作手法 (031)
(1EXB-35) コマンドリズムを用いたタップ入力による携帯端末操作手法

携帯端末を操作するコマンドを一定規則に基づいてリズムに変換し,タップで入力することで操作を行う手法を提案する.リズムはコマンドの発音情報を基に生成され,起動したいアプリケーション名やそれの操作などのコマンドを思い浮かべることで入力リズムを連想することができる.コマンドをリズムに変換する際にリズムの重複が発生し入力が一意に定まらないことがあるため,日本語の言語特徴を入力に利用することで重複の減少を検討した.本稿ではコマンドのリズム変換方式と重複に対する考察,およびリズムタップ入力の認識について詳しく述べる.

石山 英貴,高橋 伸,田中 二郎(筑波大)

生体抵抗を用いた食事が楽しくなる機器の開発 (184)
(1EXB-36) 生体抵抗を用いた食事が楽しくなる機器の開発

本研究では、日々の食の場を楽しくする機器の開発を目的とする。昔から衣食住と言われるように、日常生活において食事は非常に重要な役割を果たしている。私たちの生活と切っても切り離せない食の場だが、近年食事の場だけでなくコミュニケーションやエンターテインメントの場としても注目され、様々な研究が行われている。また、近年のエンターテインメントの研究において、人体の電気的抵抗値に着目しインタラクションを行う研究が数多く行われている。そこで本研究では、人体の電気的抵抗を用いて日々の食の場を楽しくする機器を開発する.

北山 史朗,迎山 和司(はこだて未来大)

生演奏の不確定要素に柔軟な対応が可能な同期システム(MikuMikuSynchloid)の開発 (179)
(1EXB-37) 生演奏の不確定要素に柔軟な対応が可能な同期システム(MikuMikuSynchloid)の開発

本研究では,ボーカロイドキャラクタを使用した同期演奏に於いて,同期ミスや音楽のフレーズを任意の回数分ループさせるといった不確定要素に対して柔軟に対応できるようにした.これにより、演奏者に合わせてテンポが可変する以外のインタラクションを確立した.



佐藤 直哉,青木 敬士,川上 央(日大)
タブレット端末を活用した協調検索のためのグループ間アウェアネス機能 (196)
(1EXB-38) タブレット端末を活用した協調検索のためのグループ間アウェアネス機能

企業や学校で行われるグループ活動において,グループ内だけでなく,グループ間を移動したコミュニケーションを行うことは新たな情報の取得や空間内での一体感の醸成という点で有効であると考えられる.我々はグループ間でのコミュニケーションを可能にする環境のひとつとして,ダイナミックグループコラボレーション環境を構築している.本稿では,ダイナミックグループコラボレーション環境における,ユーザのグループ間移動を支援することを目的とした,情報提示機能を提案する.また,複数のグループが同じ目的を持って情報検索を行う協調検索を対象とし,移動支援に最適な提示情報について検討する.

伊藤 直人,北口 達也,高田 秀志(立命館大)
音による情報性の向上に向けた次世代型視聴覚案内地図の開発 (197)
(1EXB-39) 音による情報性の向上に向けた次世代型視聴覚案内地図の開発

2006年に施行されたバリアフリー法により,場所を音で示すための誘導チャイムが駅や施設などに設置されるようになった.しかし,具体的なガイドラインは定められていないため,雑踏のある空間では聞き取れないなどといった様々な欠点がある.また,近年はスマートフォンなどの個人向け携帯端末が普及し,高齢者や障害者でも使いやすい携帯端末も出始めている.この携帯端末における地図アプリも開発している.今後,案内面においてはこのアプリでの案内が主流になると予想される.そこで,時代の流れに対応し,誘導チャイムという原理をさらに発展させ,すべてのニーズに応えられるよう,地図アプリなどの情報端末を活用し,地図上や案内図上に新しい音のデザインを取り入れ,目でも耳でも分かる次世代形地図の開発を提案した.本稿では,数々ある視覚記号をそれぞれ異なる音で表現するためのデザインメソッドの組み立てに関する考案から,モデル案内図を作成し配置するまでの流れを述べ,同時にこの案内図の魅力と将来性についても述べた.

伊藤 元成,川上 央(日大)
Round-Table Browsing: 対面共有ウェブ検索を支援する場の創出 -回転寿司メタファによる履歴共有- (133)
(1EXB-40) Round-Table Browsing: 対面共有ウェブ検索を支援する場の創出 -回転寿司メタファによる履歴共有-

複数人でウェブ検索をする場面において,コミュニケーションの活発化・検索効率向上を目的とする研究がされてきた.本稿では,複数人で協調してウェブ検索を行う場面におけるコミュニケーションを活発化するシステムであるInter-Personal Browsingの改良を試みる.具体的には,Inter-Personal Browsingが抱えている,画面の同一性不十分,現在閲覧中のページしか共有できないという問題の解決を行う.それぞれ,スクリーンショットの利用,ウェブ閲覧履歴の利用を通じて解決する.また,そのウェブ閲覧履歴の提示方法として,回転寿司メタファによる方法を提案する.

上田 健太郎,苗村 健(東大)
Cryptone: 音楽会場におけるパフォーマと観客の相互インタラクションのためのシステム (177)
(1EXB-41) Cryptone: 音楽会場におけるパフォーマと観客の相互インタラクションのためのシステム

音楽会場において,演奏を行うパフォーマと観客のインタラクションを実現するためのシステムCryptoneを作成した.これまで実現してきたパフォーマから観客へのインタラクションに加え,観客からパフォーマへのインタラクションを可能にする仕組みを取りいれることで,パフォーマと観客の相互インタラクションを実現することができる.


平林 真実(IAMAS),清水 基(間チルダ)

混雑センシングツールキット (130)
(1EXB-43) 混雑センシングツールキット

本稿では,小売店や飲食店,公共交通機関等のパブリックスペースにおける混雑情報を取得し利用するための参加型ツールキットについて述べる.混雑センシングにおけるCO2センサ,加速度センサ,感圧センサ,焦電型赤外線センサの可能性を探るために電車内および飲食店内で実験を行い,この結果に基づきスマートフォン上のクラウドソーシングツール,CO2センサ,焦電型赤外線センサを利用して信頼度付きの混雑情報を取得することができるツールキットを提案する.このツールキットはオープンソースハードウェア/ソフトウェアに基づくものであり,スマートフォン,個人の所持品等に埋込まれたセンサ,設置型の無線センサノードを利用して異なるレベルの市民参加を支援することができる.

大野 航,少路 健太,木實 新一(東大)
モールス信号を用いた新しいユーザインタフェースの提案と制作 (127)
(1EXB-44) モールス信号を用いた新しいユーザインタフェースの提案と制作

タッチパネルやKinectといった新しいユーザインタフェースの登場によって,私たちは直感的で自然な動作でもって機械を扱えるようになった.ただそれらの用途は合理的で無駄のない操作性の実現や,対機械的なぎこちない操作を軽減するなど,未だ限定的である。本研究では新しいユーザインタフェースを用い,モールス信号によって人が機械を”いじる”感覚を誘起する遊び心のあるインタフェースを制作する.これまでとは異なる”人と機械のコミュニケーション”を提案することで,次世代インタフェースのあり方を考えるための助勢となることを期待している.

木下 夏織,安藤 大地,笠原 信一(首都大)

サービスマインドを伝えるキャラクタエージェント対話システム (149)
(1EXB-45) サービスマインドを伝えるキャラクタエージェント対話システム

本研究では,日本独自のきめ細かい接客サービスの心であるサービスマインドを伝える教育トレーニングを提供する対話システムを開発する.3Dモデルのキャラクターエージェントを表示し,脳波計測による表情認識を行い,音声認識システム,音声合成システムを用いることにより,システムとの対話による教育トレーニングをユーザに提供する.


江端 竜次,角 薫(はこだて未来大)


ヘルスケア機能と広告視聴を強制するモバイルアプリケーション広告システムの提案 (183)
(1EXB-46) ヘルスケア機能と広告視聴を強制するモバイルアプリケーション広告システムの提案

本研究では,ヘルスケア機能と広告視聴を強制するモバイルアプリケーション広告システムを提案する.近年,日本人における生活習慣病の数は,2008年の時点で,約1470万人である.これは日本人の12%にあたる.この病気を引き起こす大きな要因として肥満が挙げられる.肥満は自己管理の不足から起こることが多い。そこで、自分自身の体型を日常的に見ることによって肥満体型になることを抑制することに繋がるのではないかと考え、本研究ではモバイルアプリケーションを利用し,ユーザ自身が強制的にヘルスケア機能を用いることで健康管理ならびに生活習慣病への予防に繋がる肥満抑制を目的としたヘルスケア機能と広告視聴を強制するモバイルアプリケーション広告システムを提案する.

藤田 光治,藤本 貴之(東洋大)
江戸時代の五人組制度をモチーフとした情報集約型SNSシステムの提案 (170)
(1EXB-47) 江戸時代の五人組制度をモチーフとした情報集約型SNSシステムの提案

現在,数多くのSNSが存在しており,その主流はFacebookやTwitterである.これらの登場によって社会的ネットワークをインターネット上で構築する事が出来るようになった.しかし,「友達」や「フォロー」の数が増え過ぎ,タイムラインが乱雑になっている.そのため,全ての投稿に目を通す事が出来ない場合や,コミュニケーションを全く取れていない「友達」などが存在する.またSNSに割く時間も増加が進んでおり,これらのいわゆる「SNS疲れ」が問題視されている.そこで本研究では「友達」の数を限定し,情報をグループごとにまとめる事でタイムラインがスマートになり,かつ閲覧に多くの時間を割かずに済む「新しいSNS」を提案する.

橋本 英明,藤本 貴之(東洋大)


TweetChair: モノへの愛着を利用した健康支援の試み (190)
(1EXB-48) TweetChair: モノへの愛着を利用した健康支援の試み

人のモノに対する愛着は,そのモノとの接し方によって変化する.こうした知見に基づき,人とモノのインタラクションによって,人のモノに対する意識になんらかの変化が起こると考えられる.本稿では,イスが人格を持っているかのような感情表現をSNS上で行うシステムを提案する.体重を基に人とのインタラクションを行う本システムについての説明と,提案システムがユーザーの意識や健康管理に影響を与えることができたかについて考察する.

本多 翔,園城 克明,永井 淳之介,沼野 剛志,山田 彩加,于 婧依,小倉 加奈代,西本 一志(北陸先端大)
主消点の選択・移動操作を用いたインタラクティブな4次元視点制御システム (004)
(1EXB-49) 主消点の選択・移動操作を用いたインタラクティブな4次元視点制御システム

本論文では,主消点の選択・移動操作を用いたインタラクティブな4次元視点制御システムについて述べる.4次元空間の主座標軸方向の無限遠点を透視投影すると3次元空間中に主消点という情報になって現れる.主消点は,4次元空間の視点の位置や視線の方向と関連したものであり,これまでの我々の研究でユーザが4次元空間を移動するときの目印として働いていることが分かった.いくつかの主消点から4次元空間での視点の位置を決定できるため,主消点を4次元空間の視点移動のインタフェースとして用いれば,直感的に4次元空間をハンドリングできると考えられる.我々は,ユーザが3次元空間に表示された主消点を掴んで操作することで,4次元空間を任意の方向に移動し,様々な視点から4次元立体の3次元投影図を観察するインタラクティブシステムを構築した.提案システムは,パーソナルコンピュータ,6軸センサ付きヘッドマウントディスプレイ, Kinect,小型無線マウスから構成される.ユーザテストの結果,本システムの高い操作性と4次元空間で直感的な視点移動を実現できることが示された.

三輪 貴信(早大),酒井 幸仁(福岡大),橋本 周司(早大)
表情とコンテクストを含むソーシャルグラフ構築システムの検討 (192)
(1EXB-50) 表情とコンテクストを含むソーシャルグラフ構築システムの検討

近年普及しているSNSではソーシャルグラフといった,人間関係の可視化がマーケティングにおいて重視されている.我々はこのソーシャルグラフに人の表情による感情情報を付加する事で,詳細な人間関係の可視化し,的確なマーケティングの支援を目指す.スマートフォンに内蔵されているインカメラを利用し, SNS利用時の表情を分析する事で,SNSでのコミュニケーション時における感情を可視化する実装手法を検討する.我々は提案手法の実現可能性を検証するため,実際に表情分析の基礎的な実験や検討を行った.

岩松 竜也,岩本 健嗣,松本 三千人(富山県立大)


旋律概形を用いた旋律編集: 概形レベルと音符レベルの編集をシームレスに行えるインターフェース (174)
(1EXB-51) 旋律概形を用いた旋律編集: 概形レベルと音符レベルの編集をシームレスに行えるインターフェース

本研究では作曲スキルを持たないユーザに旋律編集を支援するシステムを提案する.音楽の聴き方には,旋律全体を1つの流れとしてとらえる聴き方と,個々の音符を個別にとらえる聴き方があり,旋律編集でもこの2つの認知レベルに対応していることが望ましい.本システムは旋律概形とピアノロールを統合することで,この2つの手段による旋律編集をシームレスに行えるようにしたシステムである.試用の結果から,楽曲を仕上げていく思考錯誤を手軽に行えることが明らかになった.

土屋 裕一,北原 鉄朗(日大)
フレズニオス (203)
(1EXB-52) フレズニオス

ディスプレイに表示された環境との物理的なインタラクションを可能とする装置「フレズニオス」を提案する.フレズニオスは,環境のRGB画像と深度画像を取得するセンサ部と,環境に対して働きかけるアクチュエータ部からなる.センサ部には市販の深度カメラを,アクチュエータ部には集束超音波を利用して非接触作用力を発生する装置を採用する.これにより,皮膚,風船,煙,液体,紙などを非接触で押すことができる.


星 貴之(名工大)

モーションコピーシステムに基づく筆記動作における教育システムの構築 (189)
(1EXB-53) モーションコピーシステムに基づく筆記動作における教育システムの構築

近年,高齢社会により高度な技術を持つ熟練技能者の減少が問題となっており,モーションコピーシステムを用いた熟練者のスキル抽出の研究がなされている.モーションコピーシステムでは力情報と位置情報を同時に抽出して保存・再現が可能であり,熟練技術の教育への応用が期待されている.そこで本研究では,モーションコピーシステムに基づく筆記動作における教育システムを構築する.モーションコピーシステムを用いた教育システムを構築する場合,再現時においてトレーニが筆に接触することが想定される.しかし,従来のモーションコピーシステムでは再現中にトレーニが筆に接触した場合,保存時の文字の再現が出来なくなる.そこで本提案では再現時におけるトレーニの接触力を推定することでトレーニの接触力に対してロバストな再現システムを構築する.これにより,トレーナがトレーニの筆を持ち筆記動作を行うといった教育法が可能となる.また,本提案の有効性をシミュレーションにより確認する.

松井 綾花,三浦 一将,桂 誠一郎(慶大)
触覚呈示を備えた没入型エアギターシステム (069)
(1EXB-54) 触覚呈示を備えた没入型エアギターシステム

昨今,コンピュータを用いて没入感を演出,強調しようという試みがさかんに行われている.仮想現実や拡張現実といった没入感を演出する技術を用いたシステムがこれまでに多く提案されているが,それらの感覚的フィードバックには,視覚,聴覚を通したものが主で,触覚感覚のフィードバックが可能なものは,あまり見られない.感覚フィードバックとして,視覚,聴覚に加えて触覚を与えることで,ユーザはより高い没入感を得ることできると考えられる.そこで,人間が視覚,聴覚,触覚を使って楽器演奏をおこなうことに注目し,エアギターなどの楽器を演奏する動作に,楽器音,拡張現実感技術,触覚呈示技術を組み合わせて多様な感覚を刺激することにより,仮想空間にいるユーザにより高い没入感を演出できるのではないかと考えた.本研究では,ギター演奏を体感できるシステムを構築し,ユーザ実験による評価をおこなった.

岩谷 亮明,澤田 秀之(香川大)
ThermOn- 温冷覚呈示による音楽の情動性拡張メディアインタフェース (068)
(1EXB-55) ThermOn- 温冷覚呈示による音楽の情動性拡張メディアインタフェース

本研究では,音楽に合わせて温冷刺激を呈示することにより音楽の情動性を拡張するインタフェース,ThermOnを提案する.温度感覚は,純粋に温度や材質,危険などのモノの性質や特徴を知る以外にも,心情や快感に大きく影響する感覚である.そのため,同じく感情への影響が大きいメディアである音楽との相性が高く,融合による相乗効果が期待できる.プロトタイプとしてペルチェ素子を組み込んだヘッドホン型デバイス,抵抗を用いたイヤホン型のデバイスを作り,ユーザテストを行った.その結果ThermOnは,音楽の印象を変える,快感を与える,意識(集中)の方向を変える,などの効果があることが定性的に示された.

秋山 史門,佐藤 克成,牧野 泰才,前野 隆司(慶大)